2026年7月17日、国内大手の電通デジタルがGoogleとのAI領域での協業加速を発表した。独自AIとGoogleのプロダクトを接続し、マーケティング戦略から実行・分析までの一連の自動化および最適化を進める。
電通デジタル、GoogleのAIと接続し次世代の戦略立案を自動化
電通デジタルは、マーケティングコミュニケーションを支援するAIソリューション「∞AI MC Planning」と、Googleの各種広告プロダクトAPIおよび効果測定ソリューションを統合させる方針を明らかにした。
デジタルマーケティングの複雑化に伴い、大量のデータを統合して高精度に活用する統合支援体制への要求が高まっている。本連携は、そうした市場課題に直接応える試みと言える。
最大の肝となるのは「Audience Insights API」を含むGoogle側データとの相互接続だ。
ユーザーの行動データを統計的に解析することにより、従来以上に精緻なインサイトの可視化とターゲティングが可能になる。
さらに、キャンペーンの効果測定や運用データの解析といった実務作業に対しても、GoogleのAI技術を掛け合わせることで自動化を推進していく。運用業務の質を高めつつ大幅な効率化を図る狙いがある。
電通デジタルは今回の高度化を踏まえ、対象ソリューションの外部提供を視野に入れている。
加えて、インドやフィリピンに約7,100名の専門人材を抱える電通グローバルサービスやdentsu APACと連携し、日本発のAIソリューションをグローバル市場へ展開する基盤の整備も同時に推進中だ。
※Audience Insights API:Googleプラットフォーム上のユーザー行動データを統計的に分析し、ターゲット層の属性や関心事などのインサイトを抽出するためのAPI。
AIエコシステム構築がもたらす効果と課題 マーケターの役割変化へ
電通グループが進めるAI戦略「AI For Growth」に基づく今回の発表は、マーケティングの実務現場における労働集約的な作業を劇的に削減する可能性を秘めている。
自律的なAIエージェントの活用が進むことで、データ分析や運用最適化に要していた工数は著しく減少し、人間はより本質的な戦略構築や創造的な意思決定にリソースを集中できるようになるだろう。
一方で、プラットフォーム依存度が高まることへの警戒感や、高度化するアルゴリズムを評価・管理するためのリテラシー向上といった課題も浮上する。
AIの出力を過信せず、自社の事業文脈に即した判断を下せるスキルの養成が企業側に求められるのは間違いない。
さらに、APACをはじめとしたグローバル展開の成否は、地域ごとに異なるデータ規制への適応や現地の商習慣へのアジャストにかかっている。
国内で構築したAIエコシステムが海外市場でどこまで通用するか、今後の展開が注視される。