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GMO、機密知財を国内保持したままAI活用へ 商用クラウド同等性能を実証

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年7月6日、GMOブランドセキュリティとGMOアイアールディーは、GMOインターネットの「GMO GPUクラウド」上で知財業務向け生成AI「GMO知財AI」の実証実験を完了したと発表した。特許・商標データを国内に保持したまま、商用クラウド型AIサービスと同等レベルの応答品質と処理性能を確認し、機密情報を外部送出せずにAIを活用できる可能性を示した。

国内ソブリン環境で知財AIを検証

今回のPoCでは、特許調査や商標類似性分析、拒絶理由通知への対応案検討といった知財実務を想定し、Googleのオープンソースモデル「Gemma 4」を国内GPU基盤上で稼働させた。比較対象にはGoogle Vertex AI上の同モデルを用い、応答速度と品質を検証した。

検証の結果、Gemma 4 26BモデルはVertex AIとほぼ同等の性能を示し、一部項目では応答速度で上回った。例えば商標類似性分析では、GMO GPUクラウドが12.4秒、Vertex AIが15.6秒となった。コンテキスト超過や応答崩壊も発生せず、全プロンプトで正常な回答を確認している。

背景には、企業や官公庁で高まる「安全な生成AI活用」への需要がある。
特許や商標情報は極めて機密性が高く、海外クラウドへの送信に対するリスクや規制上の懸念が指摘されてきた。これまで国内環境では、高度なAI性能とデータ主権の両立が難しいとされていたが、今回の実証はその課題解決に向けた一歩となる可能性がある。

技術面では、vLLM(※1)やOpenCode、知財業務向け機能群「Skill(スキル)」を組み合わせ、国内GPUインフラ上で安定稼働することも確認された。

※1 vLLM:大規模言語モデルの推論を高速化するオープンソースソフトウェア。キャッシュ機構などを用いてGPU利用効率を高め、大量リクエストを効率的に処理できる。

実用化へ、企業・官公庁への展開も

GMOブランドセキュリティとGMOアイアールディーは、知財管理サービス「iPRAD RYOMA byGMO」「IP Flow Manager」「BRANTECT byGMO」と連携し、「GMO知財AI」の実用化を進める。2026年7月にはMCP(※2)を活用したデータ連携基盤の提供を開始し、年内にはAIエージェントによる実務支援機能の提供を予定している。

実現すれば、特許調査の補助や商標拒絶理由通知への対応案作成など、専門家の判断を支援する業務をAIが担うことになる。大量の文献調査や複雑な分析を並列処理できるため、知財部門の生産性向上効果は大きいとみられる。

一方で、オープンソースモデルを利用する以上、継続的な品質管理や最新法規への対応は欠かせない。AIによる分析結果を最終判断として用いるのではなく、知財専門家によるレビューを前提とした運用が重要になる。

それでも、国内にデータを保持したまま高性能AIを活用できる環境が整えば、機密保持要件の厳しい金融、防衛、インフラ分野などへの応用も視野に入る。GMOインターネットグループ3社は、オンプレミスやプライベートクラウドでの提供も検討しており、国産ソブリンAI基盤の実用化競争が本格化する可能性がある。

※2 MCP(Model Context Protocol):AIモデルが外部データベースや業務システムと安全かつ標準化された方法で連携するためのオープン規格。機密情報を管理下に置いたままAIへ文脈情報を提供できる。

GMOインターネットグループ プレスリリース

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