イスラエルの不正検知企業Riskifiedと国内決済代行大手のSBペイメントサービスが提携を開始した。日本国内のEC事業者向けにAIを活用した不正検知ソリューションの導入支援を進め、不正利用対策と売上拡大の両立を支援する。
SBペイメントサービス、Riskified導入支援を開始
RiskifiedとSBペイメントサービス(SBPS)が2026年6月25日から提携を開始した。
これに伴い、SBPSのオンライン決済サービス加盟店を対象に、AI不正検知ソリューション「Riskified」の導入・活用支援を開始する。
Riskifiedは、世界中で蓄積した取引データと独自開発のAIを活用し、アカウント作成やログイン、属性変更時の不正検知に加え、決済時のリアルタイム判定、チャージバック対応、ポリシー濫用検知まで、包括的なリスク管理機能を提供するソリューションである。
今回の提携により、加盟店はAIによるリアルタイム判定機能「チェックアウト・インテリジェンス」を活用することで、不正利用の抑止に加え、オーソリ承認率(※1)や決済完了率の向上を目指せるようになる。
本提携の背景には、日本国内でEMV 3-Dセキュア(※2)の導入が必須となり、EC事業者が不正防止と利便性の両立を求められている状況がある。
SBPSは加盟店のニーズに応じて複数の認証運用パターンの導入を支援し、安全性を確保しながら売上機会の損失を抑える体制を構築していく。
両社は今後、より多くの国内企業へ導入を広げ、安全で快適なオンライン決済環境の実現を技術面・運用面の双方から支援する方針だ。
※1 オーソリ承認率: クレジットカード決済時にカード会社へ利用可否を照会するオーソリゼーションのうち、承認された割合。高いほど正常な決済が成立しやすい。
※2 EMV 3-Dセキュア: クレジットカード決済時に追加の本人認証を行う国際標準規格。不正利用を抑制できる一方、運用次第では購入途中での離脱増加につながる場合もある。
AI不正検知がEC競争力を左右する時代へ
今回の提携は、単なる不正利用対策にとどまらず、EC事業者の収益改善にもつながる可能性がある。AIによって不正取引と正当な購入を高精度に判別できれば、過剰な認証や誤検知による販売機会の損失を減らし、売上拡大と顧客満足度向上を両立できるだろう。
一方で、AI不正検知システムの判定精度は、継続的なデータ更新や運用改善の影響を受けると考えられるため、新たな不正手法への対応や導入後のチューニングは欠かせないはずだ。また、導入効果は商材や顧客層によって異なることから、すべてのEC事業者が同じ成果を得られるとは限らない。
とはいえ今後は、AIを活用した不正検知がEC事業者の標準的な取り組みとなり、決済代行会社とAIベンダーの連携もさらに拡大していくかもしれない。
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