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日立情報通信エンジニアリングが設計資産を再構築 属人化した開発基盤をAI活用へ最適化

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日立情報通信エンジニアリングは「設計資産再構築・最適化サービス」の提供開始を発表した。
属人化・複雑化した設計資産を分析・可視化し、保守負担の低減とAI活用に適した開発基盤の構築を支援する。

設計資産をAI活用へ再構築

2026年6月24日、日立情報通信エンジニアリングは、産業・自動車・医療機器分野などのシステム開発で使われるソフトウェアやハードウェアの設計資産を対象に「設計資産再構築・最適化サービス」の提供を開始すると発表した。

背景には、長期運用によって既存の設計資産が属人化・複雑化し、保守や改修の負担が増大している現場課題がある。
設計仕様の整備や更新が不十分なまま運用が続くと、設計意図や構成を把握しにくくなり、ブラックボックス化が進む。
コードの肥大化や依存関係の複雑化も、影響範囲の特定や不具合解析に必要な工数を押し上げる要因となる。

同サービスでは、AIによる解析と同社エンジニアの知見を組み合わせ、既存コードの構造や設計意図を分析・可視化する。
さらに、リファクタリング(※)やアーキテクチャーの見直し、ドキュメント整備を通じて、設計資産の再利用性を高める。

ソフトウェアとハードウェアを分断せず、システム全体を踏まえて構造を整理する点も特徴である。
言語・OS・フレームワーク・DBの更新、ハードウェアやFPGAとの連携最適化、仕様書や設計書の再整備などを組み合わせ、継続的な開発に対応できる基盤づくりを支援する。

※リファクタリング:外部から見た機能や動作を変えずに、内部のコード構造を整理・改善する手法。可読性や保守性を高め、将来の改修や機能追加を行いやすくする目的で実施される。

再利用可能な資産化が焦点に

このサービスの意義は、長期運用で属人化・複雑化した設計資産を単なる過去の蓄積として扱うのではなく、再利用可能な開発資産へ転換しようとする点にある。
AIを活用した開発や高度な解析が進む中で、既存コードや設計書が整理されていなければ、AIによる分析や自動化の効果は限定される。
可視化と再構築は、AI導入の前提条件になりつつあると言える。

メリットは、保守・改修時の調査工数を抑えられることだろう。
設計意図や依存関係が明確になれば、機能追加や部品変更、環境更新の際に影響範囲を把握しやすくなる。
外部リソースや海外開発の活用を見据え、コメントや設計書を英語化することで、開発体制の持続性向上にもつながる可能性がある。

ただし、再構築は長期的な保守性やAI活用の基盤づくりにつながる一方、導入初期には一定の負荷も伴うと考えられる。
既存資産の規模や複雑さによっては、構造見直しの範囲やドキュメント化の優先順位を慎重に見極める必要がありそうだ。
短期的な効率化にとどまらず、将来の機能追加や環境変化に耐えられる拡張性をどこまで確保できるかが、再構築の成否を分けるだろう。

今後はAI導入の有無だけでなく、その効果を引き出せる設計資産を整備できるかが、企業の開発競争力を左右すると考えられる。
ブラックボックス化した開発基盤を放置すれば、AIによる解析や自動化の効果は限定され、結果として品質リスクや改修コストの増大を招く可能性がある。
日立情報通信エンジニアリングの新サービスは、モダナイゼーションを進める企業にとって、既存資産を次世代の開発基盤へ変える選択肢となりそうだ。

株式会社日立情報通信エンジニアリング ニュースリリース

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