2026年6月2日、NTTソノリティは、現場向けDXソリューションブランド「SonoVo(ソノボ)」を始動した。音声AI、専用デバイス、閉域通信環境を組み合わせ、建設や医療、小売などの現場業務を効率化する。人手不足が深刻化するなか、これまで活用されてこなかった現場の会話を業務データへ変換し、生産性向上につなげる取り組みとして注目を集めそうだ。
現場の会話を業務データ化 NTTソノリティが「SonoVo」を始動
2026年6月2日、NTTソノリティは現場向けDXソリューションブランド「SonoVo(ソノボ)」を立ち上げた。建設や医療介護、小売、接客などの現場産業を対象に、音声AIソリューション「SonoVo AI」、コミュニケーションデバイス「SonoVo GEAR」、オンプレミス型コミュニケーションソリューション「SonoVo BOX」を展開する。
同社によると、日本では2030年に最大644万人の労働力不足が予測されており、現場の生産性向上が大きな課題となっている。一方で、騒音環境や両手作業、通信環境の制約などから、従来のデジタルツールでは現場DXが十分に進んでいなかった。
SonoVoは現場で交わされる会話を収集・記録・活用することを目的としたブランドである。中核となるSonoVo AIでは、音声のリアルタイム文字起こしやAIによるレポート自動生成を提供。専門用語や業務フローに合わせたチューニングにより、現場で実用的な精度を目指す。
また、100dBを超える騒音下でも音声を収集できる専用デバイスや、インターネットに依存しない閉域環境(※)向けソリューションも用意した。これにより、トンネルや地下施設、工場、病院など従来DX化が難しかった現場への導入を見込む。
※閉域環境:インターネットなど外部ネットワークから切り離された専用通信環境。高いセキュリティが求められる工場や医療機関、インフラ施設などで利用される。
音声AIは現場DXの切り札となるか 定着と運用が成功の鍵
SonoVoの特徴の一つは、これまで記録されずに消えていた現場の会話をデータ資産として活用できる点にある。報告書作成や申し送り業務の自動化が進めば、現場担当者の事務負担を削減できるほか、技能継承やナレッジ共有の効率化にもつながる可能性がある。
また、音声はキーボード入力を必要としないため、両手がふさがる建設現場や介護現場でも活用しやすいと考えられる。PC中心だった従来のDXと比べ、より現場に近い形でデジタル化を推進できる点は、導入メリットの一つと考えられる。
一方で、音声データには個人情報や機密情報が含まれるケースも多く、セキュリティ対策や運用ルールの整備が重要になる。さらに、業界や企業ごとに異なる専門用語への対応精度が十分でなければ、現場への定着は進まない可能性もある。
今後、音声データとAIエージェント(※)が連携することで、記録だけでなく分析や業務支援まで自動化する流れが加速することも考えられる。現場の会話を起点としたDXが広がれば、日本企業の生産性向上を支える新たな基盤となる可能性を秘めている。
※AIエージェント:利用者の指示や状況に応じて、情報収集や分析、報告書作成など複数の業務を自律的に実行するAIシステム。近年、多くの企業が導入や実証実験を進めているAI活用手法の一つ。
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