テザーがZengoに出資 EU規制強化に対する戦略のゆくえ

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 2025年2月11日に海外で公表されたテザーの投資が、EU規制への対策として注目を集めている。自己管理型ウォレットZengoへの出資は、ステーブルコインUSDTの存続戦略を左右すると見られ、業界の大きな転換点になりそうだ。

目次

テザーの戦略的狙いとZengoの特徴

 世界最大のステーブルコイン(※)USDTを発行するテザーは、EUで進む暗号資産規制に対応する目的で動いている。複数の取引所がEUの方針に沿ってUSDTの上場廃止に踏み切る動きが広がり、テザーには流動性の確保とユーザーの信頼維持が求められてきたと言えよう。
2025年2月11日に公表されたZengoへの投資は、その戦略の一環として注目されている。Zengoは従来のシードフレーズを必要としない仕組みを採用しており、マルチパーティ計算(MPC)を活用することでも知られている。これによってユーザーは秘密鍵管理の負担を減らし、安全性を保ちながら資産を直接コントロールできる。
テザーのCEOであるパオロ・アルドイノ氏は、この出資によってウォレット機能がより強化されるだけでなく、USDTを多様なブロックチェーンエコシステムでシームレスに運用できるようになると説明している。EU圏内で取引所が規制の影響を受けてもユーザーが資産を自由に扱えるようにする狙いがあるとみられる。
テザーの投資は同社のビジネスモデルを補完する要素を持ち、EU規制に対する長期的な対応策として機能しそうだ。

 投資による業界への影響と自己管理型ウォレットの展望

 今回の投資は、テザーのみならず暗号資産市場全体にとっても象徴的な動きだ。
自己管理型ウォレットが普及すれば、中央集権的取引所に依存せずに資産を保管・移転できる利用者が増え、分散化の流れが一層加速すると考えられる。
利用者にとっては、シードフレーズを安全に保管する難しさや、ハッキング被害への不安が減る点もメリットだ。とりわけZengoのようなシードフレーズ不要の設計が浸透すれば、暗号資産を実際に活用するハードルが大幅に下がるだろう。

また、こうした発展は、EU当局との協議を前提としながらも、多くの企業が新たなビジネス機会を探る契機になるはずだ。ユーザーサイドからも、資産の安全性と利便性を両立するソリューションが望まれており、ウォレット領域への投資は今後も増加すると見込まれる。

自己管理型ウォレットが普及すれば、規制の影響を受けにくい形でUSDTを運用できる点も大きな魅力になる。他のステーブルコインや分散型金融(DeFi)プロトコルも活気づき、業界全体でより堅固な基盤を築くことが可能になるだろう。

※ステーブルコイン:法定通貨や資産を裏付けに価格を安定化した暗号資産の総称で、価値変動のリスクを抑える狙いがある。

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