【まとめ】「Yuga Labs」の過去・現在を踏まえて未来を考察
BAYC、CryptPunks、Meebits等を保有し、メタバース空間”Otherside”も手掛ける、web3市場における最も有名な企業の一つ「Yuga Labs」について改めて振り返ってリサーチしました。
Yuga Labs 公式ニュースサイトと公式Twitterを見返し、その設立から現在までをざっと振り返り、今後の動きを予測してみます!
「Yuga Labs」の基本情報
- 設立は2021年、アメリカ
- ファウンダーはGargamel, Gordon, Tomato, Sassの4名
- 従業員数:100名以上
- 38都市に展開
- APE IPで59ものコミュニティーを構築
- コミュニティーのメッセージ量は1日6,000件を超える
情報はYuga Labs求人ページ https://yuga.com/careers より引用。
運営ブランド
- BAYC
- MAYC
- BAKC
- CryptoPunks
- Meebits
- OtherSide
- 10KTF
※ApeCoinはApeCoin DAOによって所有・運営されており、Yuga Labs直轄の運営ではありません。 Yuga LabsはApeCoinのコントリビューター、ApeCoin DAOのコミュニティメンバーであり、Yuga LabsプロジェクトではApeCoinを主要トークンとして使用しています。
そのミッションステートメントには「web3の可能性へのコミット」と「国境もルールも関係なく、ただ一緒にクールなモノを作る集団」であると記されています。
「Yuga Labs」設立から現在まで
Yuga Labs設立から2022年12月までを、”主要トピック”に絞りざっと振り返ります。
○Yuga Labs設立
2021年にアメリカで、Gargamel, Gordon, Tomato, Sassの4名の友人によって作られました。
GargamelとGordonは2017年頃から仮想通貨に興味を持っていましたが、特に何かをすることなく、静観していました。流れが変わったのは、2021 年初頭のThe Hashmasksというプロジェクトのリリースを見た時です。The Hashmasksはそれより前から話題にあったCrypto Kitties や Cryptopunksとは異なり、初めてNFT プロジェクトの技術的側面が重要ではないように感じました。
そこで、ソフトウェアエンジニアである Sass と Tomato の2 人の友人に協力を求め、製作をスタートしました。
○BAYC誕生
NFTにハマったファウンダーの4名は議論を進めていくうちに、NFTが会員証として機能する新しいNFTアートコレクションの構想に行きつきました。
NFT(暗号)が世界を変えることを予測した彼らは「暗号資産への投資家を”Ape”と呼び、この先の未来で暗号が急成長したことで大金持ちになりApe等が退屈になる」という世界観を考えました。そして「Bored(退屈な) Ape」が集まる場所「Yacht Club」をつなげて「Bored Ape Yacht Club」略して「BAYC」が生まれました。
そして、合計10,000体のBAYCが販売されました。
・2021 年 4 月 23 日 :プレセールにて、1週間かけて500体のApeが0.08Ethで販売された。
・2021 年 5 月 1 日:パブリックセールにて、残り9,500体が販売。すぐに売り切れた。
○BAKCとMAYCの誕生
・2021 年 6 月 18 日:BAYCホルダーにエアドロする形でBored Ape Kennel Club (BAKC) 誕生。最初の6週間にロイヤルティ料から得られたすべての収益は、いくつかの動物慈善団体に寄付され、その後、二次販売手数料はゼロに設定された。
・2021 年 8 月 28 日:Mutant Ape Yacht Club(MAYC)誕生。Bored Ape の所有者は、Bored ApeをMutant Ape に変異させるために使用できるアイテムを受け取りました。また、追加で10,000体のMutant Apeもオークションにかけられました。
・2021 年 9 月 13 日:BAYC、BAKC、MAYCホルダー向けに宝探しイベントを開催。
・2021 年 10 月 31 日 ~ 11 月 6 日:ホルダー向けイベント「APE FEST」を初開催。
○CryptoPunks / Meebitsの買収
・2022 年 3 月 11 日:Larva Labsから「CryptoPunks」と「Meebits」のNFTコレクションの運営権を取得。
○OtherSide/ ApeCoinの展開
・2022年3 月17 日:ApeCoinローンチ。Apeブランドのガバナンストークンとしても機能し、Apeホルダーには無料でエアドロップされた。Apeブランドで使われるトークンだが、Yuga Labsが運営主体ではなく、あくまでApeCoinDAOが運営する。
・2022 年 3 月 19 日:OtherSideのPVを公開し、話題に。
・2022年 3 月 22 日:シードラウンドで4億5000万ドル(約548億円)を調達。評価額が40億ドル(約4874億円)となる。
・2022年 4 月 30 日:OtheSideの土地NFT「Otherdeed」を販売。5万5000区画を販売し、約24時間で約3億2000万ドル(約416億円)相当の暗号通貨を調達した。この際、取引が集中したことで約1億2400万ドルものガス代がかかり話題となった。
・2022年 6 月 20 日 ~ 6月 23日:ホルダー向けイベント「APE FEST 2022」開催。
○10TKFの買収とBeepleの参画
・2022年 11月 9 日:Yuga Labsがスキャムサイトへの対策として公式ニュースサイトを公開。
・2022 年 11 月 14 日:web3企業「WENEW」を買収し、NFTコレクション「10KTF」の運営権を取得。「WENEW」CEOであったNFTアーティストBeepleがYuga Labsのアドバイザーに就任。
・2022 年 11 月 15 日:「CryptoPunk #305」をマイアミ現代美術館に寄贈することを発表。マイアミはファウンダーの故郷でもあり、10月にも300,000 ドルの寄付を行なっていた。
・2022 年 11 月 24 日:Apeブランドの独自マーケットプレイスをオープン。
・2022 年 12 月 12 日:ApeCoinの専用ステーキングサイト「ApeStake」がオープン。
以上、Yuga Labs関連の主要なトピックでした!
「Yuga Labs」の展望を考察
改めて振り返ると、この間は創業から2年経たずにここまで来ています。もちろん時代の波に乗ることで大きな成長を遂げた側面も大きいですが、その波をしっかりと掴んで準備して出し続けていることこそがYuga Labsの凄さだと感じます。
各NFTプロジェクトのロードマップはあれど”Yuga Labs”自体の経営戦略については公表されていません。ただ、今までの動きを見るに「自社IP(ブランド)の成長と買収による拡大」と「自社IP(ブランド)の価値を上げるプラットフォーム構築(メタバースやコイン)」の2つの動きがわかります。
複数のNFTコレクションを運営することで、培ったノウハウをすぐに横展開でき、他社が真似できないスピードで学習を進めることができます。そして、それによってNFTの価格が上がり、会社としても収益が上がります。その収益をまた別IPの買収に使うか、メタバース等の全てのIPの価格を底上げする施策に使い、成長サイクルを描いています。
例えるなら、ディズニーやLVMHの経営戦略に近いかもしれません。ディズニーはミッキーマウスという圧倒的なIP創出から始まり、自社IPを増やしていきました。そして全てのIPの価値を底上げする映画やディズニーランドを構築し、世界観を作り上げました。LVMHは、ルイヴィトンから始まり、培ったブランド運営のノウハウを駆使し、多数の高級ブランドを買収し、運営しています。
そう考えると、事業領域はweb3ですが過去の経営戦略は成長戦略が参考になり、展望を予測できます。基本は今の路線をより洗練させていくと考えられます。
- 各ブランドへユーティリティ追加、コミュニティー活性化、価格の向上
- メタバースやコイン等への投資、Yuga Labsグループの構築
- 別IPを買収し、今までのノウハウを元に一気に成長
これを行い、より大きなYuga Labsグループへと成長していくことが予想されます。懸念は「分散化を謳うweb3なのに、買収まくって大丈夫?」ですが、Yuga Labsはその辺りをかなり気をつけて運営しており、市場からの反応は今までも好意的です。
今後もweb3業界を牽引するYuga Labsから目が離せません!
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参考文献
本記事に使用した文献は以下になります。