Web3エンジニアになるには?必要なスキルと学習方法を徹底解説
Web3エンジニアは、次世代のインターネットであるWeb3の中心的な役割を果たす技術者です。
分散型のシステムやアプリケーションの開発を行うWeb3エンジニアには、従来のWeb開発とは異なる新しいスキルが求められます。しかし、Web3は従来までのWebシステムを基盤とする仕組みも多く、Web3に詳しくないエンジニアでもこれから十分活躍できる可能性があります。
そこで本記事では、初心者でもその概念を理解できるように、Web3エンジニアになるために必要なスキルセットと、具体的な学習リソース、学習方法を解説します。
Web3エンジニアとは?
Web3エンジニアは、分散型アプリケーション(dApps)やスマートコントラクトの設計・開発を担当します。
これらのアプリケーションは、中央集権的なサーバーではなく、ブロックチェーンという分散型ネットワーク上で動作します。
つまり、Web3エンジニアはブロックチェーン技術を活用して、透明性やセキュリティに優れたアプリケーションを構築するプロフェッショナルといえます。
必要なスキルセット
Web3エンジニアになるためには、従来のプログラミングスキルに加えて、特定の技術や概念の理解が求められます。
以下では、必要なスキルを具体的に挙げ、その学び方も詳しく解説します。
0. そもそもWeb3とは
本記事では、基本的なWeb3用語を把握している前提でスキルセットや学習ステップを紹介しています。
Web3やブロックチェーン、dAppsをそもそも聞いたことがない人はPlus Web3の他の記事や「用語集」から概要を軽く認識したあとに本記事を読み進めてください。
1. ブロックチェーンの基礎知識
Web3はブロックチェーン技術をベースにしているため、まずはブロックチェーンの基本的な仕組みを理解することが必要不可欠です。
ブロックチェーンがどのようにデータを分散保存し、トランザクションがどのように検証されるかを学びましょう。
【学習リソース】
『CryptoZombies』
ブロックチェーンの基本をゲーム感覚で学べる無料のオンラインサービス。
実際に手を動かしながらコーディングを学べるのが魅力です。
『Coursera「ブロックチェーン」』
大手プラットフォームで提供されている無料もしくは有料のブロックチェーン学習講座。
入門レベルから上級レベルまで数多くの講座が提供されており、各個人に応じた学習ができます。
2. スマートコントラクトの理解
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で実行される自己実行型の契約です。Web3エンジニアにとっては、これの開発がメイン業務となります。
スマートコントラクトの代表的なプラットフォームはEthereum(イーサリアム)であり、その開発にはSolidityというプログラミング言語を用います。Solidityは学習が比較的簡単な言語と言われているので、以下のサイトを参考にスキルを身につけましょう。
【学習リソース】
『Solidity公式ドキュメント』(日本語版)
Solidityの基本文法から応用までを学べる公式ドキュメント。
開発中に問題点があれば、ここの情報を頼りましょう。
『Remix IDE』
ブラウザベースの開発環境で、実際にSolidityのコードを書いて試すことができるツール。
ブラウザで起動できるため、手軽にテスト環境を整えられるのが特徴です。
3. 分散型アプリケーション(dApps)の開発
Web3エンジニアは、dAppsを開発するためにフロントエンドとバックエンド両方のスキルが必要です。
Web3.jsやEthers.jsのようなJavaScriptライブラリを使うと、フロントエンドからブロックチェーンと連携することができ、dAppsがユーザーとブロックチェーンの間で通信する仕組みを理解・構築できます。
【学習リソース】
『Web3.js Documentation』
Web3.jsを使ってEthereumネットワークとやりとりする方法を解説するドキュメント。
ボリュームは多いですが、その分、システムの詳細理解に役立ちます。
『Ethers.js Documentation』
Ethers.jsを学ぶためのシンプルな公式ドキュメント。
こちらの方が『Web3.js Documentation』より短くまとめられており、読みやすいです。
4. クリプトグラフィー(暗号技術)の知識
ブロックチェーンの背後には必ず暗号技術があります。公開鍵・秘密鍵のペアでデータのセキュリティを確保する方法や、ハッシュ関数の役割を理解することが重要です。
ユーザーの資産を安全に保つdAppsを構築するために、これらの知識をしっかり身に着けておきましょう。
【学習リソース】
『Khan Academy「暗号技術コース」』
暗号技術の基礎を学べる無料のオンラインコース。
英語ベースではあるものの、全編が分かりやすく動画で解説されており、理解を一層深められます。
『Cryptography and Security on Coursera』
さらに深く暗号技術を理解するための専門的なコース。
【1. ブロックチェーンの基礎知識】で紹介した『Coursera』では暗号技術について学ぶコースも数多く用意されています。
5. DeFi(分散型金融)の基本知識
「DeFi」は分散型の金融システムを構築するための技術です。
Web3エンジニアは、ブロックチェーンを活用して金融サービスを提供するアプリケーションの開発に関与することが多いです。そのため、DeFiの仕組みを理解することが重要となります。
【学習リソース】
『DeFi Rate』
DeFiの基本情報を解説しているサイトであり、金融関連プロジェクトの概要も学べます。
海外サイトであるため、世界基準のDeFi事情を把握できます。
『CoinPost「DeFi」』
DeFiに関するニュースや解説記事を提供しているメディア。
こちらは日本語のサイトであるため、翻訳機能などに頼らず読める利点があります。
6. DAO(分散型自律組織)に関する知識
DAOはコミュニティが管理する組織であり、Web3エンジニアがプロジェクトを開発・運営する際に重要な要素です。
エンジニアは、トークンベースのガバナンスシステムを構築し、ユーザーの投票によって意思決定が行われる仕組みを実装します。
【学習リソース】
『Aragon』
DAOを簡単に作成・運営できるツールで、初心者でも使いやすい。
ノーコードでDAOの立ち上げや管理ができるため、最も使いやすいDAO作成ツールの一つです。
『Qiita「DAO」』
DAOの技術的な仕組みや、実際に作成するためのノウハウを提供している日本語ブログ。
※サイト内では、Web3用語としての「DAO」だけでなく、プログラミング関連用語としての「DAO」も取り上げられているため、混同しないよう注意。
『CoinPost「DAO」』
DAOの仕組みや最新動向についてまとめられた日本語記事。
国内情報はもちろんのこと、質の高い海外DAO情報も発信されているため、学べることが多いです。
学習ステップ:初心者からWeb3エンジニアへ
これまで紹介したスキルセットを踏まえて、Web3エンジニアになるためには、以下のステップで学習を進めるのが効率的です。
Web3エンジニアになるには、多くの場合において英語が必要です。
Web3(ブロックチェーン)は世界共通の仕組みであるため、本記事からも分かるように、ドキュメントやプログラミング、メディアは基本的に英語が使われています。
そこで、(翻訳機能を使うなどの対処法はあるものの)自らが英語、特にリーディングスキルを有していると、よりスムーズに学習を進めることができるでしょう。
しかし、エンジニアになることが目標であれば、「英語を学んでからWeb3エンジニアの学習を始める」よりか、「Web3エンジニアの学習をメインでやりつつ、ついでに英語も勉強する」程度の意識で学習するのをお勧めします。
Web3エンジニアを目指すと決めたら、まずはWeb3の基礎を理解しましょう。
具体的には、ブロックチェーンの基礎概念やスマートコントラクトの仕組みを把握するのが重要です。上記スキルセットの1や2を参考に、Solidityを使って簡単なコントラクトを作成して、ブロックチェーン上で動かすところから始めてはいかがでしょう。
Web3の全体像を掴んだあとは、実際にスマートコントラクトを開発する環境を構築しましょう。
Hardhat(ハードハット)やTruffle(トリュフ)などの開発環境をセットアップし、コントラクトのテストやデプロイを学びます。これにより、実際に動作するスマートコントラクトを開発・運用できるスキルが身に付きます。
開発環境の整備まで完了したら、dAppsの構築を目指しましょう。
上記スキルセット3を参考に、Web3.jsやEthers.jsを使って、フロントエンドとバックエンドが連携するdAppsを構築します。ユーザーがスマートコントラクトとインタラクションできるシンプルなアプリを作ることで、実践的なスキルを磨けます。
最後に、これまで学んだスキルを使って、実際にオープンソースプロジェクトやDAOに参加してみましょう。Github上で他の開発者と協力しながら実践的な経験を積むことが重要です。
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