【初心者向けWeb3活用事例】インターネットブラウザ「Brave(ブレイブ)」にWeb3はどう使われている?
近年注目され始めているデジタル技術「Web3」や「ブロックチェーン」は具体的にどのような使われ方をしているのでしょうか。
本記事では、Web3を活用しているサービスの一つ「Brave(ブレイブ)」に着目して、初心者にもわかりやすくWeb3・ブロックチェーンを解説し、活用事例をまとめます。
「Brave(ブレイブ)」とは?
「Brave(ブレイブ)」とは、プライバシー保護と高速なブラウジング体験の提供を目的とした次世代のウェブブラウザです。
現在、6000万人以上の月間アクティブユーザーを誇り、2021年には前年比で2倍の月間アクティブユーザー数を記録するなど、ここ数年で大きく成長している世界規模の大手ブラウザサービスです。
ブラウザの基盤は、Google Chromeと同じ「Chromium」に基づいて作られており、似たような操作感かつ同じ拡張機能の動作が可能なので、非常にスムーズなブラウジング体験ができます。
また、Braveはデフォルトで広告やトラッカーをブロックする機能を備えており、これによりユーザーは煩わしい広告から解放され、ページの読み込み速度が向上します。公式によれば、BraveはGoogle Chromeの約3倍の速度でページを表示できるとされています。
広告の読み込みが不要になるため、データ使用量も削減され、バッテリー寿命の延長にも寄与します。
2024年には、プライバシーを重視したAIアシスタント「Leo」がデスクトップ版とiOSデバイスで利用可能になりました。Leoは、ユーザーが質問したり、ページ要約したりする際に役立つ機能を提供します。
Web3関連技術に関して
Braveで用いられているWeb3・ブロックチェーンのサービスを紹介する前に、「Web3とは何か」という基本知識を初心者にもわかりやすく解説します。
「Web3」とは?
「Web3」とは、ブロックチェーン技術(※後述)が用いられている分散型インターネットワークのことです。
Web3の概念下では、「政府」や「Google」などの中央集権的な組織が存在せず、ネットワークへの参加者全員で平等に権利を分散してデータ管理します。
データを管理する一連の過程を参加者に公開することで透明性が高まり、信頼性が担保される仕組みとなっています。
このデジタル上の仕組みを物体的な例えに置き換えて説明すると、上の画像のように、街の中心に「データが書かれた大きな石碑」があることをイメージしてください。
Web3のネットワーク参加者は、この石碑に取引履歴などのデータ(例:「AさんからBさんの口座に○○円送金しました」など)を記します。
このデータ書き込みは公的な銀行職員などが行っているわけではないものの、画像のように、街の中心でネットワークの他の参加者に監視されながらデータ管理することで、偽造や改ざんがほぼ不可能となります。
これが、「web3」の基本的な仕組みです。
「ブロックチェーン」とは?
「ブロックチェーン」とは、それぞれの取引履歴(ブロック)が1つの鎖のようにつなげられ、管理されるデータ管理技術です。
各ブロックには「任意のデータ(取引履歴)」と、前のブロックのデータを集約して暗号化した「ハッシュ値」と呼ばれる数値が格納されています。
この「ハッシュ値」を改ざんしようと思えば、その他のハッシュ値もすべて改ざんする必要がありますが、それは現実的に不可能であるため、「ブロックチェーン」は極めて安全性が高いデータ管理手法とされています。
ここで説明したようなWeb3やブロックチェーンの技術が、仮想通貨をはじめ、金融や物流、ゲームなど、さまざまな業界に用いられています。
どの業界でも一貫して言える特徴としては、「非中央集権的・民主的であること」、「データの透明性が確保され、改ざんや不正の心配がほとんどないこと」が挙げられます。
BraveのWeb3に関する取り組み
ここからは、Braveが行っているWeb3関連の取り組みをまとめます。
「Basic Attention Token(BAT)」
Braveでは、「Basic Attention Token(BAT)」というオリジナルトークンを流通させています。
BATは、Ethereum上に構築されたERC-20(=ブロックチェーンの一種)に準拠したトークンであり、Braveにおける報酬制度の軸として機能しています。
先述したようにBraveでは広告をブロックする機能が標準搭載されていますが、ユーザーはあえて広告を表示・視聴することでBATを獲得できます。
この仕組みは、従来の広告モデルとは異なり、ユーザーが自らの興味・関心を提供することで報酬を得るという新しいエコノミーを形成しています。ユーザーは、対価として得たBATを他のサービスやコンテンツクリエイターへの支援に利用することができます。
Braveは、広告収益の70%をユーザーに還元することで、公平なエコシステムを構築しています。この収益分配モデルは、ユーザーが広告視聴することで直接的に利益を得られる仕組みを提供し、従来の広告モデルにおける不透明性を解消しています。
これにより、ユーザーは自らのデータがどのように利用されるかを理解し、より良いインターネット体験を享受することが可能になります。
また、ユーザーは獲得したBATを使用して、好きなコンテンツクリエイターを支援することができます。この「投げ銭」システムは、クリエイターにとって新たな収入源となり、質の高いコンテンツ制作を促進します。
さらに、BATは他の仮想通貨に交換可能であり、ユーザーは自身の資産を多様化することができます。
このようなBraveの広告モデルは、広告主にとっても高いROI(投資収益率)を提供します。ユーザーのプライバシーを保護しつつ、ターゲットオーディエンスに効果的にリーチできるため、広告主はより効率的なマーケティング戦略を展開できます。
「Braveウォレット」
「Braveウォレット」とは、Braveのユーザーがブラウザ内で直接利用できる革新的な暗号資産ウォレット(※)です。
(※)暗号資産ウォレット:仮想通貨などの暗号資産を管理するオンライン上のウォレット。その名の通り、物理的な「財布」と同じようなものが、オンライン上の暗号資産用に作られている。
このウォレットは拡張機能を必要とせず、ユーザーが簡単にアクセスできるように設計されています。これにより、フィッシングや盗難のリスクを軽減し、ユーザーは安心して暗号資産を管理できます。このような、セキュリティと利便性を両立させた設計で、Braveはユーザーの体験向上を目指しています。
また、Braveウォレットは、Ethereum、Solana、Filecoinなど、100種類以上のブロックチェーンネットワークをサポートしています。このマルチチェーンサポートにより、ユーザーは多様なデジタル資産をシームレスに管理でき、購入、送信、保管、取引が容易に行えます。
Braveの将来展望
Braveは、Web3関連技術を活かして、より安全で便利なブラウジング体験をユーザーに提供しようとしています。
Braveが発表している今後の計画のひとつに、ブラウザ内でのEコマース機能の導入があります。
この取り組みは、ユーザーがオンラインショッピングをより便利に行える環境構築を目指しています。具体的には、Braveの内蔵ウォレットを通じて、仮想通貨での支払いを可能にし、ユーザーが手軽に取引を行えるようにすることが期待されています。
これにより、従来のEコマースプラットフォームに依存せず、より安全でプライバシーを重視した取引が実現されるでしょう。
また、Braveは「NFT(非代替制トークン)」と呼ばれるデジタル暗号資産のサポートも強化する計画を打ち出しています。
具体的には、Braveウォレットにて、現行のような仮想通貨の管理に加えて、NFTの保管や取引も可能になり、ユーザーは自分のデジタルアートやコレクションを手軽に扱えるようになります。この機能は、クリエイターやコレクターにとって非常に魅力的であり、Braveのエコシステム内でNFTの流通を促進することが期待されています。
これらの取り組みのように、Braveは今後もWeb3技術の進化を追求し、ユーザーに新たなインターネット体験を提供するでしょう。
Braveは、従来のインターネットの枠を超え、ユーザーが自らのデジタルアイデンティティを管理できる未来を切り開きます。
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