米国著作権局は、AIが生成した画像が著作権保護の対象外であるとのガイドラインを発表した。このガイドラインは、AIによる生成物が著作権法に基づいてどのように扱われるかを明確にするものであり、今後のAI技術の発展と著作権法の関係について重要な示唆を与えるものとなる。

AI生成物は原則として著作権保護の対象外

米国著作権局が発表した新ガイドラインでは、AIが生成したコンテンツは、基本的に著作権の保護を受けないとされている。その理由は、AIが生成したものに対して人間の関与が不十分であるためだ。たとえば、ユーザーがAIにプロンプトを与えた場合でも、その出力物に対する著作権は発生しない。ユーザーはAIの解釈を受け入れるだけであり、著作者とは見なされない。

このガイドラインは、グーグルのGeminiが生成した画像の例を挙げて説明されている。
また、2022年には、作家がAIを使用して作成したコミックの著作権登録が問題となった事例も紹介されている。最終的に、AIによる生成物は保護されないとされた。

人間の創造的表現を支援するAI

一方で、AIが人間の創造的表現を支援する場合には、その出力物は著作権保護の対象となる可能性がある。たとえば、作家がAIにアイデアを提供し、その結果を基に作品を完成させる場合などがこれに該当する。AIはあくまで人間の創作活動をサポートするツールとして扱われるようだ。

しかし、AI技術は日々進化しており、今後はユーザーが独自の表現をAIの出力に反映できるようになる可能性がある。もしそうなれば、著作権の扱いが変わる可能性も十分にあるだろう。

今回のガイドライン発表は、AI技術の発展と著作権法の関係について、今後の議論を深める上で重要な一歩となることは間違いない。