暗号資産×伝統金融の融合 トランプ氏発「Truth.Fi」の独自性は?

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2025年1月29日、トランプ大統領が創設したTruth Media and Technology Group社(TMTG)は、新たな投資プラットフォーム「Truth.Fi」の立ち上げを発表した。
同社は、ソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」やストリーミングサービス「Truth+」を運営する企業であり、今回の発表では7億ドル以上の運転資金を背景に、伝統的な金融サービスとデジタル資産を組み合わせた新しいビジネスモデルの構築に乗り出すことを明らかにした。

目次

Web3時代の新たな投資プラットフォーム

同社は保有する7億ドルの現金準備金から2.5億ドルを投資枠として確保し、3つの重要な投資戦略を展開する計画を明らかにした。
第一に、個別の投資家のニーズに応じてカスタマイズ可能な分離運用口座(SMA)の提供を行う。SMAとは、機関投資家向けに提供されてきた専用の投資口座で、投資家一人一人の目標や制約に合わせて投資戦略を柔軟に設計できる特徴を持つ。
第二に、特定のテーマや戦略に基づいて設計された独自の上場投資信託(ETF)の開発を進める。ETFは株式と同じように取引所で売買できる投資信託で、たとえばアメリカの製造業に特化したETFなど、特定の産業分野に焦点を当てた商品の提供が計画されている。
そして第三に、ビットコインを中心とした暗号資産への投資である。これは、従来型の金融商品では得られない、デジタル時代の新しい投資機会へのアクセスを提供するものだ。
これら3つの投資手法を組み合わせることで、伝統的な金融商品からデジタル資産まで、幅広い投資ニーズに応える体制を整えようとしている。

TMTGは、従来型の金融と、Web3時代の投資を組み合わせようとしている。
実際にTMTGは、米国最大級の総合金融サービス会社であるチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)を資産管理機関として採用し、運用アドバイザーとしての役割も担わせている。
チャールズ・シュワブは1971年の創業以来、8.7兆ドル(約1,300兆円)以上の顧客資産を管理し、個人投資家向けのブローカレッジサービスからウェルスマネジメントまで、幅広い金融サービスを提供してきた実績を持つ。このような伝統的な金融界の重鎮といえる企業との提携により、Truth.Fiは従来の金融システムの信頼性とWeb3技術の革新性を両立させることを目指している。

投資商品の設計においては、プライバシーとセキュリティの確保が重視されている。近年、デジタル資産管理におけるセキュリティリスクが高まる中、Truth.Fiは、分散型金融(DeFi)の要素を取り入れつつ、権威ある企業とも強力して、安全面を確保しようとしているようだ。

暗号資産市場におけるTruth.Fiの位置づけ

Truth.Fiは、既存の暗号資産市場とは異なるアプローチを提示するものとして注目を集めている。同社CEOのDevin Nunes氏は以下のように述べている。

“Developing America First investment vehicles is another step toward our goal of creating a robust ecosystem through which American patriots can protect themselves from the ever-present threat of cancellation, censorship, debanking, and privacy violations committed by Big Tech and woke corporations.”

「アメリカンファーストの投資プラットフォームの開発は、ビッグテックやwoke(進歩的な価値観に”目覚めた”)企業によるキャンセル、検閲、デバンキング、プライバシー侵害の脅威から、アメリカの愛国者を保護するための堅牢なエコシステムを作るという目標に向けた新たな一歩である」
この発言は、Truth.Fiが単なる投資プラットフォームを超えて、イデオロギー的な価値観を持つ投資家層を明確にターゲットとしていることを示している。Coinbaseやグレイスケールなどの既存の暗号資産プラットフォームが掲げる「中立的」な立場とは一線を画すアプローチだ。特に、アメリカの製造業やエネルギー企業への投資を重視する方針は、ESG投資やグローバル分散投資を推進する他の金融機関との差別化を図るものといえる。

競合他社との比較において、Truth.Fiの差別化要因として挙げられるのは、大手金融機関との戦略的パートナーシップである。Yorkville Advisorsを登録投資アドバイザーとして迎え入れ、アメリカの成長セクター、製造業、エネルギー企業への投資に焦点を当てた投資戦略を展開する計画だ。この投資アプローチは、従来の暗号資産投資とは一線を画すものとなっている。

まとめ

Truth.Fiの挑戦は、Web3技術を活用した新しい金融サービスの可能性を示している。
2025年のサービス開始に向けて、規制当局の承認取得や最終契約の締結など、いくつかの重要な要素が控えているものの、同社の取り組みは金融サービスのデジタル化における新たな潮流を形成する可能性がある。今後は、規制環境への対応や、実際のサービス展開における技術的な課題の克服が、成功のカギを握ることになるだろう。

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