アクセンチュア発表 AIエージェント連携サービス「Trusted Agent Huddle」

2025年6月2日、米アクセンチュアは複数のAIエージェントを連携可能にする新サービス「Trusted Agent Huddle」を発表した。
業界標準プロトコルを活用し、AI活用の柔軟性と信頼性を高める取り組みとして注目されている。
大手IT企業のAIエージェントを横断連携、業務効率向上へ
アクセンチュアが発表した「Trusted Agent Huddle」は、同社のAIプラットフォーム「AI Refinery」に組み込まれる新機能である。
Adobe、AWS、Google Cloud、Meta、Microsoftなど、複数ベンダーのAIエージェントを横断的に連携させ、セキュアな業務プロセスの自動化を支援する。
このサービスは、業界標準のAIエージェント連携プロトコルである「Agent2Agent(A2A)」および「Model Context Protocol(MCP)」に対応しており、異なるシステム間でも統一的な情報共有が可能となる。
また、アクセンチュア独自のアルゴリズムにより、連携するAIのパフォーマンスを定量的に評価できる点も特徴である。
さらに、4月に発表された「AIエージェントビルダー」と組み合わせることで、業務の要件変化に即応したAIの再構築も可能になる。
クラウド環境でAIエージェントを運用している企業にとっては、既存のアーキテクチャを維持したまま、新たな機能を付加できる点が強みだ。
AIエージェントの信頼性指標にも応用 企業変革の鍵に
Trusted Agent Huddleの登場は、今後の企業経営におけるAI導入の在り方を大きく変える可能性がある。特定サービスに依存せず、複数の最適な技術を組み合わせる「マルチエージェント戦略」は、複雑化する業務プロセスへの柔軟な対応を可能にする。
アクセンチュアの執行役員AIセンター長・保科学世氏は、「企業はAIエージェントを大量に構築する必要に迫られている。このような中で特定サービスに依存せず最適な技術を用いて迅速にAIエージェントを構築できるかどうかが問われている」とコメント。
独自アルゴリズムによるAIエージェントのパフォーマンス評価機能は、今後「信頼性スコア(※)」の策定にもつながるとしている。
AI間の協働が高度化する中、Trusted Agent Huddleのようなプラットフォームは、業務効率化のみならず企業全体の意思決定や価値創出を支える中核技術となることが予想される。
今後は、AI同士が情報を交わす際の説明責任や誤作動時の責任所在といった論点がより深く問われることになるだろう。
※信頼性スコア:ここでは複数のAIエージェントが連携・協働する環境において、それぞれのAIの動作や応答、判断の「信頼性」を数値化・評価する指標として使用。