トランプ大統領、仮想通貨企業への銀行サービス制限政策「チョークポイント2.0」を撤回へ

2025年3月11日、トランプ大統領が「オペレーション・チョークポイント2.0」と呼ばれる政策を撤回する新たな大統領令に今週中にも署名する見通しであることが、複数の関係者によって明らかになった。
この政策はバイデン前政権が導入したもので、仮想通貨業界に大きな影響を及ぼしていた。
今回の大統領令により、業界の銀行アクセスが改善される可能性が高まっている。

仮想通貨業界への規制強化とその撤回

「オペレーション・チョークポイント2.0」は、バイデン政権下で実施された政策であり、仮想通貨企業に対する銀行サービスの提供を制限するものだった。この政策により、多くの仮想通貨関連企業は銀行口座の開設や金融サービスの利用が難しくなり、業界から強い反発を招いていた。

チョークポイント政策のルーツは2013年に遡る。
当時の「オペレーション・チョークポイント1.0」は、銃器販売やギャンブル、その他の高リスク産業に対し、銀行サービスを制限することを目的としていた。
しかし、今回の「2.0」は、特に仮想通貨企業を対象とし、その金融取引を阻害する形で展開されていた。

トランプ大統領の新たな大統領令は、この「チョークポイント2.0」を明確に撤回するものであり、仮想通貨業界にとっては規制緩和の大きな一歩となる。
ホワイトハウスの仮想通貨作業部会のボー・ハインズ事務局長も「業界は近いうちに何らかの動きを期待できるだろう」と述べており、政策の転換が間近に迫っていることを示唆している。

銀行アクセスの改善と業界の今後

仮想通貨業界が直面していた大きな問題の一つが、銀行サービスへのアクセスだった。
米国の銀行は、連邦準備制度理事会（FRB）との直接取引を可能にする「マスターアカウント」を持つが、バイデン政権下では、仮想通貨関連の銀行へのマスターアカウント付与が拒否されるケースが多発していた。

この状況が改善されることで、仮想通貨銀行はより円滑に金融システムへアクセスできるようになると考えられる。
FRBのジェローム・パウエル議長も、仮想通貨業界の銀行サービスへのアクセスについて「新たな視点で見直すべき時期に来ている」との発言をしており、今回の政策転換を後押しする可能性がある。

今後の焦点は、この規制緩和がどのように実施されるか、また、FRBや銀行がどのように対応するかにある。
仮想通貨業界は銀行サービスの安定した提供を求めており、トランプ政権の決定が業界の成長を後押しするかどうか、今後の動向が注目される。