トランプ氏のトークンなどの暗号資産を発行する企業の共同設立者が辞任 インサイダー取引疑惑の中で
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2025年2月18日、Solanaベースのプラットフォームであるメテオラ社の共同設立者ベン・チョウ氏が、インサイダー取引疑惑を受けて辞任を表明した。同社はトランプ大統領に関連するトークンの発行を手がけた企業として知られているが、今回の辞任の背景には、数日前に発生したアルゼンチンのミレイ大統領に関連するLIBRAトークンの価格暴落問題が存在する。この事態は、暗号資産業界における内部統制とコンプライアンス体制の重要性を改めて浮き彫りにした。
インサイダー取引疑惑
今回の騒動の発端となったLIBRAトークンは、アルゼンチンのミレイ大統領が支持を表明したことで注目を集めた暗号資産である。このトークンの発行において、メテオラ社は技術基盤を提供する重要な役割を担っていた。メテオラ社はSolanaブロックチェーン上でのトークン発行を専門とする企業で、トランプ大統領やメラニア夫人に関連するトークンの発行でも実績を持つ。LIBRAトークンは発行直後に時価総額が40億ドルまで急騰したものの、わずか数時間で90%以上の価値を失い、多くの投資家に甚大な損失をもたらした。
チョウ氏は当初、2月15日のX投稿で、「トークンへのアクセス権への介入も、ミレイ大統領との接触もなかった」と主張していた。しかし、ブロックチェーン上の取引データを分析する専門家らが、トークン価格のピーク時における不自然な取引活動を指摘。大口保有者による組織的な売り抜けの形跡が見つかり、メテオラ社の関係者による市場操作の疑いが強まる結果となった。
この事態を受け、メテオラ社のもう一人の共同設立者であるMeow氏は、2月18日にXで声明を発表。「プロジェクトリーダーとしての判断力の欠如」を理由として、ベン・チョウ氏の辞任を発表した。
統制強化の方針と、望まれる法規制
今回の事態で、暗号資産業界における企業統治の脆弱性が露呈した。メテオラ社は、取引所から独立して1年以上運営されていた。この期間、チョウ氏はMeow氏の関与なしに企業を運営していたとされ、内部統制の不在が問題を引き起こした可能性がある。
Meow氏は現在法律事務所に依頼し、独立した第三者調査を実施する方針を示している。透明性とアカウンタビリティを再び確保する方針だ。
今回の事態は、暗号資産業界における企業統治とコンプライアンスの重要性を改めて示した。特に、高額な取引を扱う暗号資産企業においては、厳格な内部統制システムの構築が不可欠である。今後は、業界全体での自主規制の強化や、法規制の整備が進むことが予想される。
暗号資産に投資する人は、プロジェクトの技術面や市場性だけでなく、運営企業のガバナンス体制やコンプライアンス態勢も重要な投資判断基準として考慮する必要があるだろう。特に、有名人に関連するトークンについては、話題性が先行しやすいため、より慎重な判断が求められる。
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