安野貴博氏率いる「チームみらい」、SNS偽情報に対応するファクトチェックAIを公開

2025年5月26日、政治団体「チームみらい」は、SNS上の偽情報を自動で判別する「AIファクトチェッカー」の開発とソースコードの公開を発表した。
代表を務めるAIエンジニアの安野貴博氏は、今夏の参院選での活用を呼びかけている。
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チームみらい、偽情報検出のAIを一般公開
AIエンジニアであり、「チームみらい」代表の安野貴博氏は、5月26日に大阪市内で記者会見を行い、SNSに投稿された政治関連の偽情報を自動判定する「AIファクトチェッカー」の開発を発表した。
2024年7月の東京都知事選への出馬時、自身に関する誤情報がSNSで拡散されたことが開発のきっかけだという。
同システムは、SNS上の不特定多数の投稿を収集し、政党マニフェストや候補者の過去の公式発言と照合する。
信頼性に疑いがあると判定された投稿には、根拠となる情報を記した簡易レポートが自動生成され、「チームみらい」の運営メンバーによって精査される。
その後、妥当と判断されたものだけが公表される仕組みだ。
選挙の透明性向上へ 課題は運用と中立性の確保
AIファクトチェッカーは、今夏の参院選を皮切りに、政治分野への活用が期待できる。
SNSを通じて情報が瞬時に拡散される現代において、候補者や有権者の誤解や偏見を防ぐ有効な手段となる可能性がある。
安野氏も「テクノロジーで政治を変える第一歩」と語っており、他の政治団体や候補者への導入を呼びかけている。
一方で、AIによる判定の精度や中立性の担保、ファクトチェックの運用体制などには慎重な検証が必要だろう。特定の思想や利害関係が結果に影響を及ぼすリスクや、誤判定による名誉毀損の懸念も無視できない。
政治的中立性を保ちながらも、透明性の高い運用を実現できるかが、今後の信頼性と普及の鍵を握ると考えられる。