スズキ教育ソフト、クラウド化した校務支援システム「evanix」を2025年4月から提供開始 教育現場のDXを加速

スズキ教育ソフト株式会社は2025年3月15日、教員の業務効率化と柔軟な働き方を実現する新たな統合型校務支援システム「evanix」の提供を4月から開始することを発表した。従来鈴木教育ソフトは、全国の小中学校での導入実績がある「スズキ校務シリーズ」を発売しており、evanixはそれをベースに開発されたシステムだ。クラウド化によるアクセス性の向上や強固なセキュリティ対策などの特徴を備えている。
クラウド化とセキュリティ強化で教員の働き方改革を支援
evanixの最大の特徴は、Webアプリケーションとして提供されるクラウドサービスである点だ。これにより教員は校内だけでなく、自宅などからも安全にシステムへアクセスできるようになった。働き方の柔軟性が高まり、業務の効率化が期待される。
セキュリティ面では、ゼロトラスト(※)の考え方を取り入れ、シングルサインオン、多要素認証、データベースの暗号化を実施。利便性を向上させつつ、セキュリティリスクを低減する仕組みが整えられている。
さらに国際技術標準「OneRoster」に対応しており、他のシステムやサービスとのデータ連携も可能となった。API連携により、学校経営や自治体運営に役立つデータを可視化することができる。
同システムが提供する機能は多岐にわたる。名簿管理、出欠席管理、成績管理、、保健管理、教育支援計画・指導計画、週案簿といった基本機能に加え、オプションとして文書管理機能も用意されている。
学校経営ダッシュボードも実装され、教育現場の状況を俯瞰的に把握できるようになることが期待される。
※ゼロトラスト:ネットワークの内部と外部を区別せず、すべてのアクセスを検証・承認する安全管理の考え方。常に「信頼しない」前提でセキュリティを構築する。
保護者との連携強化で情報共有の効率化を実現
evanixのもう一つの特徴は、教育クラウドサービス「edu-cube」との連携機能だ。保護者が登録した欠席連絡データを出席簿に自動で反映できるようになり、学校と保護者間の情報共有が効率化される。従来電話や連絡帳で行われていた欠席連絡の手続きが簡略化され、教員の事務作業負担が軽減される。
evanixは直感的な操作性も重視して設計されており、教員が簡単に操作できるインターフェースを実現している。
また、帳票類の電子化を進め、押印の廃止に向けた取り組みも行われているとのことだ。教育現場のDX化を、無理なく進められるような設計になっている。
evanixの導入を希望する学校や自治体は、鈴木楽器販売株式会社に相談するか、公式ウェブサイトから問い合わせることが可能となっている。
evanixは、教育現場のデジタルトランスフォーメーションを支えるツールとなることを目指している。
予算面やインフラ整備などが課題になるものの、教育現場の労働時間が社会的な課題となるなか、evanixのような支援アプリがDXを推進していくことが期待される。