2026年6月24日、SMN株式会社は、ソニーグループのAI技術を活用した「SENZAI」と約20年分のテレビCMデータを組み合わせた「SENZAI クリエイティブ生成ソリューション」の提供開始を発表した。生成AIによる広告制作が広がる中、消費者の感性を起点にブランド戦略と整合したクリエイティブ生成を支援する。
消費者の感性を起点に広告制作を支援
SMNが提供を開始した「SENZAI クリエイティブ生成ソリューション」は、ソニーグループ独自のAIを活用する「SENZAI」と、約20年分のテレビCM放送履歴を蓄積した「テレビCMメタデータ」を組み合わせた広告制作支援サービスである。
近年は生成AIの普及によって広告素材を短時間かつ大量に制作できるようになった一方、ブランドの世界観やコミュニケーション戦略との整合性を保つことが課題となっている。SMNはこうした課題に対応するため、消費者の価値観や性格、購買スタイルなどを分析し、精緻なペルソナを構築する仕組みを採用した。
さらに、テレビCMメタデータを活用し、ターゲットの感情を動かす広告表現や避けるべきトーンを抽出。ブランド戦略に沿ったコンセプト設計からクリエイティブ生成までを一貫して支援する。今後は広告配信や効果分析まで含めたPDCAを回し、広告効果の最大化を目指すとしている。
広告制作は「生成」から「戦略」重視へ
今回の取り組みは、生成AIを単なる制作効率化ツールではなく、消費者理解を軸としたマーケティング支援へ発展させる動きとして注目される。ターゲットの価値観まで分析した上で広告を設計できれば、ブランドとの親和性や広告効果の向上が期待できる。
一方で、AIが過去の広告データを学習する仕組みは品質の安定化につながる反面、既存の成功パターンへ依存しすぎると独創性が損なわれる可能性もある。また、ブランドイメージを最終的に判断する役割は人間に委ねられるため、AIとクリエイターの適切な役割分担は今後も重要になると考えられる。
生成AIの活用競争が進む中、企業の競争力は、生成速度だけでなく、消費者インサイト(※)をどれだけ深く理解し、ブランドの文脈に沿ったコミュニケーションを設計できるかが、より重要になる可能性がある。広告業界では、こうした「戦略性」を備えたAI活用が新たな競争力になる可能性が高い。
※インサイト:消費者自身も明確に自覚していない潜在的な欲求や心理、行動の背景にある本質的な動機。マーケティング戦略や広告設計の重要な指標となる。
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