セゾンカード 不動産ST発行「セゾンのスマート不動産投資」

2025年4月24日、クレディセゾン、みずほ信託銀行、トーセイ・アセット・アドバイザーズ、Securitize Japanが協業を発表した。協業の取り組みとして、クレディセゾンは、セゾンカード・UCカードの会員様を対象に、日本初のクレジットカード会社による公募(自己募集)型不動産セキュリティトークン「セゾンのスマート不動産投資」を発行する。
カード会社の新領域参入が示す、不動産投資の民主化と技術革新の融合
「セゾンのスマート不動産投資」は、セゾンカードが提供する新たな金融サービスであり、ブロックチェーン技術を活用して不動産に関連するセキュリティトークン(ST ※)を発行・運用する仕組みを持つ。
これにより、従来は高額な資金を要していた不動産投資が、個人投資家でも手軽に取り組めるものへと変化を遂げている。
このサービスでは、特定の不動産プロジェクトを対象にトークンが発行され、ユーザーはその一部を購入することで間接的に不動産資産を保有する形となる。
これまでのREIT(不動産投資信託)とも異なり、ブロックチェーン上で発行・管理されることで、投資履歴の透明性や資産保全性が高まる点が特徴だ。
ターゲットは主に個人投資家、特に投資経験の浅い若年層や資産形成を意識し始めた層である。少額投資を可能にする設計によって、「初めての不動産投資」としての需要も期待される。
※セキュリティトークン(Security Token):株式や不動産など実体資産を裏付けにブロックチェーン上で発行されるデジタル証券。法的な証券と同等の性質を持ち、投資対象として機能する。
Web3×不動産の新常識が始動、市場の反応と今後の拡張戦略
セゾンの取り組みは、「ブロックチェーン技術の商業化の好例」として注目だ。これまで証券会社やスタートアップが主導してきたST市場に、生活インフラを担う大手カード会社が参入したことで、信頼性と普及性が一気に高まる可能性があると見られる。
また、競合他社との違いとして、セゾンは既存のクレジットカードユーザー基盤を活用できる点が強みだ。日常的に利用されるカードサービスとの連携により、投資や運用がよりシームレスに行える仕組みが整備されつつある。
今後の展望として、不動産市場の構造改革や、新たな資金調達手段としてのSTの普及が期待される。特に都市部再開発案件など、社会的インパクトの大きい不動産プロジェクトへの資金流入を促す役割も果たす可能性がある。
投資の民主化が進行するなかで、セゾンの動きが今後他の金融機関や事業者にも波及することは確実と言えるだろう。