ServiceNow社長、鈴木正敏氏が語る未来 AIプラットフォーマーとしての2025年進化戦略とは

2025年4月2日、ServiceNow Japan合同会社が、2025年の戦略について説明会を開催した。
新プラットフォーム「Yokohama」を軸に、AIを活用した業務変革と次世代CRMの革新を進め、企業のデジタルブレイクスルーを支援していく方針を示している。
グローバルを上回る成長、日本市場での成功とAIプラットフォーム戦略の全容
ServiceNow Japanは2024年度、売上高109億8400万ドル(約1兆6000億円)を記録したと発表した。
特に日本市場における成長率はグローバル平均を上回っており、製造業や金融業を中心にビジネスが拡大している。
こうした背景を踏まえ、同社は2025年に向けた戦略の中核に「AIプラットフォーマーとしての進化」を据えている。
少子高齢化が加速する日本において、労働力不足という社会課題に対処するには、業務の効率化や自動化が不可欠である。
鈴木正敏社長は、AIによって企業や社会全体の変革を可能にする基盤を提供することが、今後のServiceNowの使命だと語る。
また、顧客接点に限らず、ミドル・バックオフィスを含む業務全体をカバーする「次世代CRM」の展開も進めていく方針だ。
業務プロセス全体をエンドツーエンドで統合することで、顧客満足度の最大化と組織の生産性向上の両立を図る狙いがある。
「Yokohama」がもたらす変革と、企業にとっての導入メリットとは
ServiceNowが2025年3月にリリースした新プラットフォーム「Yokohama」は、AIの進化とビジネスニーズを融合させた象徴的な製品である。
中心となるのはAIエージェント機能の強化であり、AIが自律的に業務を遂行する環境を構築する。
これにより、人手による対応が必要だった定型業務をAIが代行できるようになり、人的リソースをより戦略的な業務に振り向けられるようになる。
「Yokohama」の新機能「Workflow Data Fabric」によって、ビジネスにおける重要データを横断的に統合し、シームレスな業務プロセスの設計が可能になる。
さらに「AI Agent Studio」によって、企業固有の業務に最適化されたAIエージェントを柔軟にカスタマイズできるため、導入後の実用性も高い。
セキュリティ面では、「Now Assist Guardian」がAIのプロンプト利用を監視し、不正な入力やデータ注入をブロックする仕組みを提供しており、安心してAIを活用できる環境を整えている。
今後注目すべきは、「Yokohama」に実装されたAIエージェントがどこまで実務レベルで使われるか、そしてそれが経営層のみならず現場にも浸透できるかが重要だろう。
AIの活用は“部分最適”で止まるリスクがあるため、組織全体として業務設計を見直す力が求められる。