SCSK、AIを活用した「用件自動振り分け機能」を導入—コンタクトセンターの業務効率を向上

SCSKは、クラウド型コンタクトセンターサービス「PrimeTiaas」に、新たに「用件自動振り分け機能を追加し、2025年4月1日より提供開始すると、2025年3月31日に発表した。
本機能は、AIが顧客の発話内容を分析し、適切な担当窓口へ自動で転送するものだ。待ち時間の短縮やオペレーターの負担軽減が期待され、コンタクトセンター業務の効率化につながると見られている。
AIによる自動振り分けで業務効率を向上
SCSKが「用件自動振り分け機能」を導入した背景には、コンタクトセンター業務の効率化と顧客満足度向上の必要性がある。従来、顧客からの電話はオペレーターが内容を聞き取り、適切な部署へ転送する手順を踏んでいた。
しかし、この手法では時間がかかり、対応の遅れが課題となっていた。
今回発表された新機能では、AIが通話開始時に顧客の発話をリアルタイムで解析し、その内容に応じて最適な担当者や部門へ自動で転送する。これにより、オペレーターが内容を確認する手間が省かれ、スムーズな対応が可能となる。音声認識技術と自然言語処理(NLP)(※)を活用することで、精度の高い分類が実現されている。
この技術の導入により、顧客対応の時間が短縮され、その分オペレーターはより複雑な問い合わせへの対応に集中できる。
結果として、全体の業務効率が向上し、より質の高いサービス提供が可能となる。
※自然言語処理(NLP):人間の言語をコンピュータが理解し、適切に処理する技術。音声認識や文章解析などに応用される。
AI技術活用が加速するコンタクトセンター市場と今後の展望
AI技術を活用したコンタクトセンターの自動化は、業界全体で加速している。
SCSKの取り組みは、こうした市場動向の一環といえるだろう。競合他社でも類似の技術開発が進められており、今後さらに高度なAI機能が導入される可能性がある。
こうした技術革新によって、コンタクトセンターの役割が変化する可能性もある。
従来のような、単なる問い合わせ窓口ではなく、顧客体験を向上させる戦略的な機能が求められるようになることもあり得るだろう。
SCSKは今後もAI技術を活用し、さらなる機能強化を計画している。特に、顧客の声(VOC)を分析し、サービス改善につなげる仕組みの導入が検討されている。
今後も、顧客対応の最適化や、企業の競争力向上に向けて、SCSKの躍進は続くだろう。