キオクシアと米サンディスク、第10世代NANDを発表 高密度化と省電力でAI需要を狙う

2025年2月19日、米国の国際会議ISSCC 2025でキオクシアとサンディスクが共同開発した第10世代NAND型フラッシュメモリーが公表された。インターフェース速度や消費電力の改善が大きな特長で、AIなど次世代分野への活用が期待される。
技術の進化と製造プロセスの要
第10世代NAND型フラッシュメモリーは、従来製品と比較してインターフェース速度が約33%高まり、4.8Gb/sを達成した。大容量のデータ転送を効率よく行える点が評価されそうだ。
消費電力も入力時に10%、出力時に34%低減させることで、モバイル端末やデータセンターの電力負荷を軽減できる設計になっている。
加えて、メモリー積層数は332層と大きく増え、ビット密度も59%向上したため、限られた面積でより多くのデータを扱うことが可能になった。
これを実現するために、CMOSロジックとメモリーを別々に製造し、貼り合わせるCBA※1(CMOS※2 directly Bonded to Array)技術を導入した。
高速動作を実現するToggle DDR6.0インターフェースなど新たな要素を組み合わせた結果、総合的な性能向上に結びついた形だ。
AI分野での期待と市場の行方
高密度化と低消費電力を両立した本技術は、人工知能や機械学習などの分野で顕在化する膨大なデータ需要を支える存在になり得る。特に推論処理では大量の読み書きが必要とされるため、高速アクセスのメリットが大きいとみられる。
さらに、AI市場に加えて、5Gやエッジコンピューティングといった分野への応用も期待される。特に、スマートフォンやIoTデバイスが扱うデータ量は年々増加しており、省電力で高密度なメモリーはこれらの分野においても需要が伸びると考えられる。
量産開始時期は未公表だが、ISSCC 2025での発表後、競合企業の動きや市場動向を踏まえながら改良が進められるだろう。この第10世代NANDはサーバーやクラウドへの導入も進む可能性が高く、AI時代を支える基盤として注目度を増している。
※1 CBA:CMOSロジックとメモリーを分離製造し、直接貼り合わせる技術。
※2 CMOS:消費電力を低く抑えつつ高い処理能力をもたらす半導体回路群の総称。Toggle DDR6.0やSCAプロトコルといった新技術の組み合わせにより、より高速かつ省電力な処理を可能にしている。
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