ソフトクリエイトが生成AIに業務アプリ機能を追加 Safe AI Gatewayが業務基盤へ進化

2025年5月22日、株式会社ソフトクリエイトが提供する企業向け生成AIサービス「Safe AI Gateway」に、カスタムアプリ機能が追加された。AI活用の範囲が業務全体へと拡張され、業務基盤としての活用が進む見通しである。
業務特化アプリを生成AI上で構築可能に
ソフトクリエイトは、自社の生成AIサービス「Safe AI Gateway(※)」に新たにカスタムアプリ機能を追加した。企業が抱える業務課題に応じて、独自のWebアプリケーションを開発し、プラットフォーム上で直接稼働させることができる仕組みだ。
開発したアプリは、外部インフラの構築や個別の認証設定を必要とせず、Safe AI Gateway内で完結して動作するため、スピーディかつセキュアな業務支援が可能になる。
Safe AI Gatewayは当初よりセキュリティに配慮された設計を特徴としており、チャット履歴やデータは個別の論理空間に保存され、生成AIの再学習には用いられない。
今回の機能追加によって、同サービスは単なるチャットAIから、業務を支える基盤へと進化を遂げた形だ。
開発可能なアプリは最大10個までで、利用者は画面上のボタンをクリックするだけでアプリを起動可能だ。画像認識や音声入力にも対応しており、書類チェックや顧客管理、音声指示による業務支援といった、多様な業務フローの自動化も視野に入る。
料金体系は1アプリあたり月額1万円(税別)の課金制で、アプリ開発費は別途見積もりとなる。対象は「マルチテナントプラン」または「ワイドプラン」契約者で、オプション契約が必要だ。
※Safe AI Gateway:ソフトクリエイトが提供する生成AIサービス。業務データとの連携とセキュリティ性を重視し、法人向けに設計されている。
AI活用の常識を変える可能性 業務効率化の中核へ
今回のカスタムアプリ機能は、企業のAI導入戦略に大きな影響を与える可能性がある。
これまで生成AIの活用は、チャットボットやFAQ対応など一部業務にとどまることが多かったが、今回のカスタムアプリ機能導入により、業務システムの中核としての位置づけが進みつつあるといえる。
特に、非エンジニアでも簡便に操作できるUIと、セキュアな運用環境の両立は、導入ハードルを大きく下げるだろう。
実用例として、顧客情報や顧客動向を一元的に把握できる、顧客管理アプリなどを構築できる可能性もある。
ただし、AIが出力する情報の正確性や、カスタムアプリの保守性といったリスクも残る。
特に、音声入力や画像解析といった高度なインターフェースを利用する場合、運用段階でのチューニングや人手による監視が不可欠となるだろう。
今後、Safe AI Gatewayは生成AIの枠を超え、業務システム開発の中核へと進化を遂げる可能性もある。
同サービスが、どの程度ビジネス現場のAI利活用に新たな潮流をもたらすのか、今後も注目していきたい。