Pinterest、ユーザー投稿画像を生成AIのトレーニングに利用する新ポリシーを発表

画像共有SNS「Pinterest」を提供する米Pinterestが、2025年4月30日にプライバシーポリシーを改定する。新ポリシーでは、ユーザーが投稿した画像を生成AIのトレーニングに利用する可能性が示唆されている。この変更により、過去に投稿された画像も含めて取得され、AI技術の開発や機能改善に使用されることになる。これを受け、SNSではプライバシーへの懸念や反発の声が上がっている。
新ポリシーの詳細とユーザーの反応
Pinterestの新ポリシーでは、ユーザーがアップロードした画像を生成AIのトレーニングデータとして利用することが明示された。これにより、投稿時期を問わず、すべての画像がAI機能の開発や改善に活用される可能性がある。具体的には、ユーザーの体型に応じたファッション提案を行う「body type technology」などの機能に使用されることが示されている。
この改定を受け、SNS上ではユーザーからの反発が相次いでいる。特に、自身の画像がAIのトレーニングに利用されることに対する懸念が大きい。無断でのデータ利用や、意図しない形でのAI生成コンテンツへの活用について不安の声が広がっている。
一部のユーザーは、設定を変更することで画像の利用を制限する方法を共有し、オプトアウトを呼びかけている。しかし、過去の投稿が対象になることで、完全にデータの利用を防ぐことは難しいと指摘されている。
また、Pinterest以外のプラットフォームで無断転載された画像についても、どこまで適用されるのか不透明な点がある。
技術的背景とプライバシーの懸念
Pinterestが新たに採用した「body type technology」は、ユーザーの体型データを分析し、それに適したファッションやライフスタイルの提案を行う技術である。
生成AIを活用することで、よりパーソナライズされたコンテンツを提供できることが期待されている。この技術は、ユーザーの利便性を向上させる一方で、プライバシーへの影響が懸念されている。
特に、生成AIのトレーニングに個人の投稿画像が使用されることで、ユーザーの許可なくデータが活用される可能性がある。
この点については、倫理的な問題も指摘されており、透明性の確保が求められる。無断転載された画像がAIのトレーニングデータとして組み込まれることにより、データの出所が不明瞭になるリスクもある。
今後、Pinterestがどのようにユーザーのプライバシー保護と利便性向上のバランスを取るのかが注目される。ユーザーの信頼を維持するためには、データ利用の透明性を確保し、オプトアウトの手続きをより簡単にするなどの対応が必要になるだろう。