ソフトバンク、「Perplexity Pro」半年無料キャンペーン開始 対象ユーザーに検索AIの高機能版を無償提供

2025年5月28日、ソフトバンクはAI検索サービス「Perplexity Pro」を一部ユーザーに向けて半年間無料で提供するキャンペーンを開始すると発表した。
同社回線契約者限定で、Web検索の精度と利便性を高める試みだ。
ソフトバンク契約者限定で「Perplexity Pro」が半年無料に
ソフトバンクは、同社が提供するAI検索エンジン「Perplexity Pro」を、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOいずれかの回線を利用中のユーザーに対し、6月19日より6カ月間無料で提供する。
このキャンペーンを利用するには、専用サイトを通じて「Perplexity Pro」に申し込む必要がある。また、既存または新規の「Perplexity」アカウントの保有が条件となる。
すでに実施されていた1年間無料トライアルは6月18日で受付を終了し、今回のキャンペーン対象には含まれない。
さらに、ソフトバンク契約者向けの特典プログラム「ソフトバンクプレミアム」のエンタメ特典にも「Perplexity Pro」が追加される。これにより、月額料金(税抜)の10%相当がPayPayポイントで還元される仕組みだ。
Perplexityは、従来のキーワード検索と異なり、自然言語による質問に対しWeb上の情報をもとに文章で回答を提供するAI検索サービスである。無料版と有料版の機能差も大きく、有料版では複数のLLMを選択可能な点が特徴だ。
検索体験の高度化が狙いか AI競争激化の中でユーザー囲い込みへ
今回のキャンペーンは、ソフトバンクが通信サービスと連動させた付加価値を高める施策の一環とみられる。生成AIの利活用が加速する中で、情報収集における体験の質を高め、契約者の満足度向上や他社との差別化につなげる狙いがあると考えられる。
特に「Perplexity Pro」では、複数の大規模言語モデルを選択して検索結果を最適化できる機能が評価されている。これは、専門的な調査や業務利用において従来の検索エンジンよりも効率的で信頼性の高い回答を提供するという利点がある。
一方で、今回の無料提供が終了した後の継続利用にどれほどのユーザーが移行するかは不透明だ。AI検索は利便性が高い反面、一般ユーザーには有料課金のハードルもある。
ソフトバンクとしては、半年間の体験を通じてサービス価値を実感してもらい、囲い込みを進める戦略と考えられる。
また、GoogleやMicrosoftといった他社が類似機能を強化するなかで、Perplexityとの提携はAI検索領域における競争の一手ともいえる。
今後、検索体験そのものが従来のキーワード検索から生成AI主導の自然言語応答へと大きく転換していく可能性がある。