Perplexity AI社がアメフトの大会に合わせて1億5,000万円が当たるキャンペーンを展開　さらなる利用者拡大を狙う

AI検索エンジン市場で急成長を遂げるPerplexity AIが、新たな大規模キャンペーンを発表した。2025年2月9日開催のアメリカンフットボールの大会、スーパーボウルに合わせ、100万ドル（約1億5,000万円）の賞金が当たる施策を実施するのである。このキャンペーンは、単なるマーケティング施策を超えた同社の包括的な成長戦略の一環として注目を集めている。

次世代検索エンジンの躍進と戦略的なユーザー獲得

Perplexity AIは、人工知能を活用した次世代型検索エンジンを提供するスタートアップ企業である。自然言語での質問に対して、複数の情報源から関連データを収集・分析し、より正確な回答を提供する点が特徴のAIだ。
従来の検索エンジンのような単なるリンク一覧ではなく、ユーザーの質問に対して直接的な回答を生成する機能や、情報源の透明性を重視したアプローチが、ビジネスユーザーを中心に高い評価を得ている。

Perplexityは現在、急速な成長を遂げつつある。
Business of Appsの最新のAIアプリレポートによると、同社の月間アクティブユーザー数は、わずか3ヶ月で1,000万人から1,500万人へと50%の増加を記録した。今回のスーパーボウルキャンペーンは、この成長をさらに加速させる狙いがある。

キャンペーンの仕組みは、ユーザー体験を重視した戦略的な設計となっている。
参加者は、まずスマートフォンでPerplexity AIアプリをダウンロードし、アカウントを作成する。その後、友人への紹介コードの共有や、スーパーボウル観戦中にAIに質問を投げかけること（例：「この選手の成績は？」「このプレーのルールは？」）で、エントリーポイントを獲得できる。
これらの行動を組み合わせることで、最大26回の当選チャンスを得られる仕組みだ。

QRコードを用いたウェブポータルも用意され、テレビCMやSNSからの参加者も簡単にキャンペーンに参加できる。対象はアメリカ在住の18歳以上で、試合終了1時間後に100万ドルの賞金が抽選で1名に贈られる。
このように、アプリのダウンロードから実際の利用、さらには口コミでの拡散まで、ユーザー基盤の拡大と利用促進を包括的に促す設計となっている。

グローバル市場を見据えた包括的成長戦略

AI検索エンジン市場において、Perplexity AIは着実にユーザーベースを拡大している。特に、企業や研究機関などのプロフェッショナル層からの支持が高く、高度な情報収集ニーズに応えるプラットフォームとしての地位を確立しつつある。同社はこの成長を活かし、さらなるユーザー層の拡大と展開を積極的に推進する戦略を打ち出している。

2025年1月にはインド市場への本格進出を発表し、現地ですでに100万人以上のユーザーベースを確立するなど、グローバル市場でも利用者拡大を狙っている。
技術面での強化も進めており、プレミアムユーザー向けにDeepSeek R1推論モデルのセルフホスト版の提供を開始した。
米国・欧州のサーバーでの処理に限定することでデータセキュリティへの懸念に対応している。また、米国向けにAIショッピングアシスタントを展開するなど、サービスの多角化も進められている。

まとめ

Perplexity AIの一連の施策は、明確な戦略的意図を持つ包括的な成長計画の一環として捉えることができる。スーパーボウルキャンペーンなどによる短期的なユーザー獲得の政策と、グローバル市場への進出や新機能開発による中長期的な成長基盤の構築を並行して進めることで、持続的な成長を目指している。
AI検索エンジン市場における競争が激化する中、Perplexity AIの戦略的な展開は、業界の今後の動向を占う重要な指標となるだろう。

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