大阪・関西万博の「AI制御噴水装置」がギネス認定

2025年4月13日に開催される大阪・関西万博において設置されたAI制御による大規模噴水装置が、「世界最大の連動噴水装置」としてギネス世界記録に認定された。この噴水システムは300基の噴水がAIによってリアルタイムに制御される仕組みで、来場者に革新的な体験を提供している。
AIと連動制御が生む未来型エンターテインメントの象徴
大阪・関西万博で設置された300基の噴水は、AIが解析・制御している。
音楽や光と連動しながらダイナミックな演出を展開する噴水ショーは、従来のものとは一線を画しており、万博の来場者に強い印象を残す。
システムの心臓部となっているAI解析技術は、気象条件や観客の動向を踏まえ、リアルタイムに噴水の動きを最適化しているという。個々の噴水には高精度のアクチュエーター(※)が内蔵されており、それぞれがAIの指令を受けて独立かつ同調的に作動する仕組みだ。
この噴水装置は万博のテーマ「未来の共生」に深く関わっている。
AIと人間、環境の協調的な共存が視覚的に表現されることで、来場者の感性に訴える装置であると言える。
※アクチュエーター:機械装置において、電気信号を動作(回転や直線運動など)に変換する駆動装置の総称。ロボティクスや精密機器制御に多用される。
商業活用と都市インフラへの波及 次世代演出技術の可能性
この噴水技術は万博の一過性の展示にとどまらず、将来的な応用可能性もあり得る。
特に都市部でのエンターテインメント施設や観光資源としての活用、また商業施設でのプロモーション演出など、多様な展開が見込まれている。
AIが制御するという特性上、演出内容のカスタマイズが容易であり、季節やイベントに応じた演出変更にも柔軟に対応できる点が強みとなるだろう。
また、インフラとの統合によるスマートシティ化の一環としての導入も現実味を帯びつつある。
たとえば、公園や駅前広場などに設置されることで公共空間を魅力的に演出し、地域活性化や観光誘致に寄与する可能性がある。
さらに、気象データや群衆データを活用することで、安全対策や避難誘導といった面での活用も期待できるだろう。
技術的な面においては、AIの分析精度やセンサーの進化とともに、より複雑で繊細な演出が可能になる可能性もある。音楽・照明・香りといったマルチセンサリーな演出との融合も視野に入るのではないだろうか。
これらが実現すれば五感を刺激する“体験型”の都市演出が一般化する可能性もある。
今後も、AI技術を使った演出には注目が集まるだろう。