OASYSチェーンの仕組みと最近の動向について【GameFi特化の注目チェーン】
本記事は主にGameFi領域でのweb3参入を検討している企業、BCG関連の最新情報を勉強したいと思っているweb3事業者の方へ向けた記事です。
GameFiに特化したL1チェーンとして世界からも非常に注目を集めているOASYSチェーンの仕組みについて解説し、ここ最近の動向についても紹介します。
OASYSチェーンとは?
「Oasys(オアシス)」とは、「Blockchain for Games」をコンセプトに掲げ、GameFiに特化したブロックチェーンです。
2022年2月にその構想が発表され、2022年12月に独自トークンOASがローンチされました。OASYSはその運営チームの豪華さから、世界中から大きな注目を集めています。
運営チーム
○創設メンバー
○初期バリデーター
○開発チーム
web3に携わる人はもちろん、web3をあまり詳しくない人でも知っている名前が多いと思います。特に初期バリデーターには、SEGAやGREE、SQUARE ENIXなど、日本の大手ゲーム会社が名前を連ねています。
設立背景
そんなOASYSチェーンは、繰り返し解説している通り「GameFi」に特化したブロックチェーンです。
具体的には以下2つの特徴を持ちます。
- 高速かつ無料のガス代(PoSを採用)
- 汎用性の高いFTやNFT設計を、ゲーム開発者が簡単に行える
では、なぜこれがGameFiにとって重要な要素なのか、またなぜこの特徴を持ったチェーンをわざわざ作ったのか、その設立背景を解説します。
一言で言えば「GameFiに適したチェーンがなかったから」です。
2021年から続くNFTブームの中で、GameFi市場も大きな盛り上がりを見せています。
しかし、DeFiとGameFiでは使われる機能が異なります。具体的には、DeFiはTVL(流通総額)が高いが、GameFiはトランザクション数が多いことが特徴です。想像してみるとわかりやすいと思いますが、DeFiのような資産運用は少額決済を数多く行うのではなく、高額決済を少数行いますが、GameFiは少額決済を多数行います。
そうなると、既存のチェーンではその都度ガス代がかかってしまい、且つトランザクションのスピードも遅いので、GameFiに適したチェーンとは言えません。
それらのGameFiに特化した特徴を持った、チェーンこそがOASYSです。
仕組み
技術的な仕組みについても簡単に解説します。
OasysにはパブリックL1とプライベートL2の2つのレイヤーが存在します。
すごく簡単に言えば、L1のHub-Layerがイーサリアムで、L2のVerse-LayerはPolygonのようなイメージです。(技術的な解説ではなくイメージの話です)
Hub-LayerではデータやNFTの管理など限定された作業しか行われず、Verse-LayerでGame中の大量のトランザクションを処理します。この仕組みによって、高速かつ無料でのゲーム体験を提供することができます。
また、ゲーム開発者はHub-Layerを1から構築することも、他人が構築したHub上にVerseを構築することも可能で、柔軟性の高いゲーム開発が可能となります。加えて、ゲーム内のNFTやFTも柔軟に設計できるようになっており、GameFiの開発工数も大幅に削減します。
以上が、簡易的ですが、OASYSチェーンの概要です。
OASYSチェーンの最近の動向
執筆時(2023年1月)は、独自トークンOASの販売開始から1ヶ月ほど経とうとしています。
今後、より多くのタイトルが発表されていくと思いますが、直近発表されたタイトルを幾つかご紹介します。
数々のWeb3ゲームを展開するChainGuardiansがOasysで独自のLayer2「Chain Verse」を構築。ChainArenaとChainGunniesの2タイトルを発表!
先ほど紹介したL2チェーンのVerse-Layerに独自の「Chain Verse」を構築したことを発表しました。そして、2タイトルを発表しました。ChainArenaは、ChainGuardiansのキャラクターが初めてモバイルゲームで登場するアクション満載のRPGで、ChainGunniesはFPSホラーサバイバルゲームです。
DMM.com、Oasys上で独自チェーン(Verse)の展開を決定。Web3事業における基盤チェーンとしてOasysを正式に採択。
DMMはGameFiへの進出を兼ねてから発表しており、OASYSに出資も行っていました。そんなDMMが正式にOASYSチェーンを活用していくことを発表し、第一弾ゲーム「かんぱに☆ガールズ」を発表しました。「かんぱに☆ガールズ」は、DMM GAMESで、累計250万人がプレイした大人気ブラウザゲームで、異世界転生した「剣と魔法の世界」で傭兵会社の社長となって、冒険するファンタジーRPGです。その大人気ゲームがBCGとなって帰ってきます。
OasysのLayer2ブロックチェーンHOME Verse正式稼働開始とともに、掲載タイトルを発表!
Oasysの開発会社としても参画している「double jump.tokyo」による独自verseが本格稼働し、様々なゲームが始まりました。今後は自社開発のゲームに加え、開発支援を行っていくそうです。
今後も数多くのタイトルが発表されることが見込まれ、非常に注目を集めています。
OASYSチェーンの展望
OASYSはWhitePaperの中でビジョンとロードマップを公開しています。
その中には「2028年12月を目標に完全にDAO化していく」ことが掲げられています。それまでにエコシステムを強化していき、参画プロジェクト数(≒ゲーム数)とDID数(≒ユーザー数)の目標数値がそれぞれ掲げられています。
今後web3がマスアダプションしていくに連れて、GameFi領域が大きく広がっていくことは間違いありません。むしろ、ゲームなどのエンタメがweb3のマスアダプションを牽引していく存在になってもおかしくありません。
現在のWeb2.0でも大きな市場規模を誇るゲーム業界の資金がGameFiの流れ込んできた際、今の非にならないほどの規模になることも想定されます。OASYSチェーンはそのいずれ来る未来においてのインフラになる可能性は十分考えられます。
その理由は大きく3つです。
- GameFiに特化したチェーンでないと快適なUXのGameFiは作れない
- 古くから稼働し続けているチェーンは信頼が溜まっていき、選ばれやすい
- 日本の大手ゲーム会社がすでにOASYSへ加盟を表明している
まずは設立背景でも解説した通り、既存チェーンではGameFiに向いておらず、快適なUXを持つサービスを作り出すことはできません。そのため、自社で独自チェーンを開発したり、新たにGameFiに特化したチェーンが生まれる可能性は大いにありますが、ブロックチェーンの特性上、過去から安定して稼働し続けているチェーンには信頼が溜まっていきます。その上で、独自トークンの発行によって、ステイクホルダーの数が増え、加盟タイトルが増えていると、さらに強固なエコシステムが築かれているので、後発チェーンがそれを上回ることは至難の業といえます。
そして最後に、最も大切なアプリケーションレイヤーにおいて、すでに日本の大手ゲーム会社が参入を表明していることがOASYSの大きな強みとなっています。
以上から、今後拡大していくGameFi領域において、OASYSが牽引していくことが十分に考えられ、非常に楽しみなプロジェクトと言えます。今後も注目していきます!
Plus Web3は「Web3領域に特化したキャリア支援サービス」
Plus Web3では、Web3で働きたい人材と、個人に合わせた優良企業をマッチングする求人サービスを行っています。
- Web3で働くことも考えている…
- Web3のインターン先はどこがいいか分からない…
- どんな知識やスキルがあれば良いのか分からない…
このような悩みを抱える人は、一度「無料キャリア相談」にお越しください。あなたにマッチした優良企業をご紹介いたします。