NTTテクノクロス、生成AIとの連携オプションを追加 マニュアル要約で作業負担53%軽減

2025年4月9日、NTTテクノクロス株式会社は、業務システムの定着を支援するデジタルアダプションツール「BizFront/SmartUI」に、生成AI「ChatTX」との連携オプションを追加したと発表した。
業務マニュアルの要約と更新作業を自動化し、業務効率化とユーザー体験の向上が期待される。
生成AIが業務マニュアルの自動要約・更新を実現、作業負担を大幅軽減へ
NTTテクノクロスは、企業内での業務システム利用を円滑に定着させるための支援ツールとして「BizFront/SmartUI」を展開してきた。
今回発表された生成AI「ChatTX」との連携オプションでは、業務マニュアルや業務ガイドの情報を自動的に要約し、常に最新の内容に更新することが可能となった。
従来、システム担当者が手動で行っていた業務ガイドの作成・更新作業の大半が不要となり、作業負担が約53%軽減される見通しである。
BizFront/SmartUIは、NTTアクセスサービスシステム研究所が開発したUI拡張技術を活用し、既存の業務システムを改修することなく、画面上にわかりやすい操作案内を追加できる点が特徴だ。
今回の新機能では、業務プロセス中に表示されるガイドが生成AIにより即座に最適化され、利用者はマニュアルを探すことなく、必要な操作をその場で理解できるようになる。
NTTテクノクロスは、本機能の提供にあたり、企業ごとの利用環境や生成AIの活用状況に応じた個別見積もりを採用している。
これにより、大企業から中小企業まで、それぞれのニーズに応じた最適なプランで導入可能となっている。
「生成AI×業務マニュアル」連携強化で業務効率化は次の段階へ
NTTテクノクロスが「BizFront/SmartUI」に生成AI「ChatTX」との連携オプションを追加したことには、明確なメリットがある。
業務マニュアルやガイドの要約・更新作業の自動化により、担当者の作業負担が大幅に軽減される点だ。
従来は属人的かつ時間のかかる更新作業が、人手を介さず迅速に行えるようになることは明確なメリットだろう。
今回の連携強化は、企業の業務効率化を次のフェーズに進める契機になると思われる。
今後は、業務マニュアルに限らず、FAQや社内ナレッジの自動整備といった領域にもAIの応用が進むと見られる。
特に、生成AIがリアルタイムにユーザーの行動文脈を読み取り、最適なアドバイスや情報を提供する仕組みが成熟すれば、企業内サポートの在り方そのものが変わっていく可能性がある。
ただし、このような進展が本格化するには、AIの説明責任や情報の信頼性担保といった課題に対する明確な対応策が必要不可欠だ。
企業においては、AIのアウトプットを検証・補完するガバナンス体制を整備しつつ、人とAIが協働する業務設計を進めることが求められる。
生成AIが業務支援のスタンダードになる未来は近いと思われるが、その実現には段階的な導入と慎重な運用が必要となるだろう。