NTT DigitalとFigmentは、Web3エコシステムの発展を目的としたバリデーションビジネス（※）の強化を発表した。両社はブロックチェーンインフラの発展を促進させることで、グローバルなWeb3ユーザーに対して高度なサービスを提供することを目指している。
本稿では、この取り組みの背景や具体的な内容、そして期待される成果について解説する。

Web3エコシステム発展への貢献

NTT Digitalは、グローバルに拡大するWeb3ユーザーに対し、先進的なWeb3インフラ技術を用いたサービスを提供中だ。今回の発表では、バリデーションビジネスを強化し、ブロックチェーンエコシステムのさらなる発展を図るとしている。
一方、Figmentはバリデーションビジネスに必要な堅牢なインフラと専門知識を提供し、NTT Digitalの取り組みを支援する。

具体的な取り組みとして、NTT Digitalは今夏以降に開始予定のNode Provider/Indexerサービスを通じて、ブロックチェーンインフラの発展に寄与することを目指す。ブロックチェーンのデータを効率的に管理することで、ユーザーに対してより良いサービスを提供することが目的だ。
Figmentは、業界最先端のステーキング技術と専門知識を提供し、両社はブロックチェーンネットワークのパフォーマンス向上を共通の目標としている。

Figmentは、APAC地域への展開を加速させるため、主要なブロックチェーンイノベーターとの協業を強化している。これにより、日本を含むAPAC地域のユーザーに対して、安全でシームレスなステーキング体験を提供することを目指す。

トランザクションの完全性とネットワーク基盤の信頼性向上

両社は、ネットワーク基盤の信頼性を向上させることで、金融やゲームなど、幅広い業界におけるブロックチェーンベースのソリューションの需要拡大に対応する。この協業が成功すれば、APAC地域におけるWeb3エコシステムの発展に大きく寄与するだろう。
特に、日本国内のWeb3関連ビジネスが活性化することで、企業のブロックチェーン活用が加速し、新たなユースケースの創出につながる可能性がある。
たとえば、金融業界ではより安全なデジタル資産の管理が可能になり、ゲーム業界ではNFTやメタバース関連の技術革新が期待される。

ただし、競争環境も激化すると考えられる。
Web3インフラの構築には他のグローバル企業も積極的に参入しているため、欧米の大手Web3企業との競争などは避けられないだろう。
また、日本国内においては、Web3技術の社会的受容度がまだ低いため、普及に時間がかかると考えられる。ユーザーの信頼を獲得し、実用的なサービスとして定着させるには、分かりやすいユースケースの提示や教育的な取り組みも不可欠だ。
これらの要素が整えば、Web3の本格的な普及が進み、新たな経済圏の形成につながるのではないだろうか。

※バリデーションビジネス：ブロックチェーンネットワークにおいて、トランザクションの妥当性を検証し、ブロックチェーンに追加するプロセス。バリデーターと呼ばれる参加者がこの役割を担う。