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    NOT A HOTELのNFT事例から、リアルアセット領域のNFTの活用方法を予想する

    本記事では「NOT A HOTEL」の事例を紹介しながら、”リアルアセット”領域におけるNFTの可能性を考察します。事例は不動産を扱いますが、全てのリアルアセット領域に適用できる部分も多いため、リアルアセット領域においてNFTの活用を考えている方はぜひご覧ください。

    目次

    NOT A HOTEL とは?

    有名な事例なのでご存知の方も多いかもしれませんが、改めてその概要を解説します。

    「NOT A HOTEL」は2020年に設立された日本発のスタートアップで、ホテルブランドの開発や販売を手掛けています。つまり、日本全国に「NOT A HOTEL」ブランドのホテルを開発し、販売している会社です。

    https://shop.notahotel.com/pages/fukuoka-penthouse より

    この「NOT A HOTEL」ですが、そのホテル(物件)自体の販売方法も特徴的です。

    • 一棟 or シェア買い(年間30日単位)の購入スタイルが選べる
    • 自分で利用する or 誰かにギフトとしてプレゼントする or ホテルとして貸し出すが選択できる
    • それら物件の購入から運用までが全てオンライン(アプリ)で完結する

    国内在住で自分の別荘として活用する投資家はもちろん、オンラインで購入でき、その運用パフォーマンスもワンタップで確認できるため、海外在住で運用のために購入する投資家からの注目も集めました。

    https://notahotel.com/how-to-use より

    「NOT A HOTEL」のブランド名の通り、既存のホテル業界では起こせなかったイノベーションを次々と起こしており、この不動産の販売方法も画期的です。

    そんな「NOT A HOTEL」が2022年6月に「NOT A HOTEL メンバーシップNFT」を発表し、第一弾の販売は3億円が即完する盛り上がりを見せました。

    このNFTは、今まで「一棟買い」か「30日単位のシェア買い」しか存在しなかったNOT A HOTELを1日単位で利用できるようにした宿泊券NFTです。

    https://notahotel.com/nft より

    購入したNFTには日付が乗っておらず、購入後にランダムに日付が割り振られます。1つのNFTで47年間分の宿泊券となりますが、その47年間の中で泊まれる日程は変わりません。(宿泊ホテルは毎年変更します。)

    この仕組みには、ランダムで割り振られたその日を毎年旅行する日にしませんか?という想いが込められています。

    https://notahotel.com/nft より

    現在は3種類のメンバーシップNFTが販売されており、それぞれによって得られる体験が異なります。

    https://notahotel.com/nft より

    以下、リンクの中にNOT A HOTELのメンバーシップNFTの説明動画も掲載されているので、見ていただくとより理解できるかもしれません。

    NOT A HOTEL
    NOT A HOTEL NFT NOT A HOTEL NFTは、1日単位から別荘を利用し楽しむことのできる、メンバーシップサービスです。有効期限は47年間。毎年同じその日が「旅する日」に変わります。「あたらし...

    もちろんNFTなので、売買や譲渡も可能です。また、47年間分の宿泊券が付与されている”メンバーシップNFT”と毎年発行される建物に入るために必要な”キーNFT”が分かれているため、今年の分だけ(今年のキーNFT)を販売することも可能となっています。

    NOT A HOTEL メンバーシップNFTが起こす革命とは?

    では、このNFTが起こした革命についてビジネス的な視点で分析します。(尚、基本的には公式サイトでの情報や創業者のインタビューを元に解説しますが、一部筆者自身の考察や意見も含まれていますので、ご了承ください。)

    まず、既存のホテル事業(ホテルを開発し投資家に売却する場合)の課題を挙げてみます。

    1. 購入がめんどくさい(内見や紙の契約書など大変)
    2. 運用がめんどくさい(自身で集客して売上や費用の管理が必要)
    3. 初期費用が高く、回収に何十年もかかる
    4. 季節によって需要にばらつきがある

    大きくこの4点が存在しますが、NOT A HOTELは独自の販売方法とNFTを活用することで、これら全ての課題を解決しています。つまり、IT化や新しい技術を取り入れるために、独自アプリやNFTを活用しているという話ではなく、ユーザーの課題解決を目的とした上で最新技術を取り入れている事例です。

    解説します。

    • 内見も契約も購入も運用も全てオンラインで完結する仕組みを構築することで、購入と運用を簡易化
    • 1日単位での宿泊券とランダムで指定された日付で宿泊する仕組みによって、季節による需要のばらつきを防ぎ、投資家が購入した物件の利回りを最大化すると共に、宿泊されないリスクを回避
    • 最初に47年間分の宿泊券を販売することで、ホテルの開発段階で初期費用の回収が完了(向こう47年間の宿泊が完了した状態を作り出せる)

    この仕組みを作ることで、

    1. 投資家はNOT A HOTELの物件を買いやすくなる(手軽さと収益の安心感)
    2. NOT A HOTELの物件が増えてメンバーシップNFTの価値も上がりNFT購入者も増える
    3. ホテル開発から初期費用の回収のスパンが異常に短いため、次々とNOT A HOTELブランドのホテルを建設できる
    4. さらにメンバーシップNFTの価値が上がりNFT購入者が増える
    5. NFTホルダーが多ければ投資家は収益の安心感が増すのでNOT A HOTELの物件を買いやすくなる

    このループが回り続けます。

    独自アプリとNFTを活用することで、投資家も、ホテル開発会社(NOT A HOTEL)も、宿泊者も、全員にとってwin-winな状況を作り出すことに成功しています。

    まさにホテル業界に新しいイノベーションを生む事業モデルと言えます。

    NOT A HOTELから考察するリアルアセット×NFT市場の展望は?

    このNOT A HOTELの成功を経て、不動産などのリアルアセット領域でNFTを活用する動きが活発になってきました。

    不動産の売買契約をブロックチェーンを活用することで効率化するプラットフォームや、NOT A HOTELのように物件運用にNFTを活用する事例まで、数多く存在します。

    例えば、2023年1月18日にリリースされた「neut」というサービスは、NOT A HOTELのようにリゾートの会員権をNFTにして販売するプラットフォームです。

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000027999.html より

    第一弾は伊豆にある物件の年に1回×20年間分の宿泊券が50万円で販売される予定です。

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000027999.html より

    また、不動産領域とは異なりますが、NFTチケットのプラットフォームである「チケミー」が「TicketMe Goods」というプラットフォームを開始し、絵画やお酒、伝統工芸品などのリアルな商品をNFT化して販売できる仕組みも整いつつあります。

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000103622.html より

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    このように、不動産をはじめとしたリアルアセット(や商品)のNFT化は今後より加速していくと予想されます。その理由はNFT化することによってリアルアセットの流動性が高まるからです。

    流動性を簡単に言えば、売買のしやすさのことを指します。

    例えば、今まではホテルを一度予約したら基本的にはキャンセルできず(キャンセル料がかかる)、宿泊券を他人に譲渡したり売買することはできませんでした。これをNFT化することで、行けなくなった場合における譲渡や売買を可能にします。これによって、ホテルの宿泊券の流動性が上がります。

    流動性が上がると意思決定がしやすくなり、購入者が増えます。ホテルの宿泊もとりあえず予約とっておいて、行けなくなったら売れば良いと思えるようになるので、手軽に予約する人が増えます。

    不動産はじめ、リアルアセットはその移動の大変さから非常に流動性の低い資産と見られていました。メルカリで二次流通に乗せることもできず、契約して売買する手続きもとても大変なものでした。

    NFTを活用することで、簡単にリアルアセットを二次流通マーケットに乗せることが可能になり、流動性が高まります。結果、購入ハードルが下がり、リアルアセット領域にお金が流れ始めるようになります。

    まだ事例は少ないですが、NOT A HOTELのような不動産領域を皮切りに、今後不動産以外のリアルアセットへの活用が期待されています。

    リアルアセットを取り扱っている事業者は自社事業にNFTの活用ができないかを模索してみても良いかもしれません!

    参考文献

    本記事に使用した文献は以下になります。

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