スラッシュがNFTをリアル展開 ファミマとローソンで「Alice」ブロマイド販売開始

2025年5月27日、NFTプロジェクト「Alice NFT」のオリジナルブロマイドが全国のファミリーマートおよびローソンで販売開始された。
発表元のSLASH VISIONによれば、今回の施策は同社のリアル展開の第一弾として位置づけられている。
Alice NFTが全国コンビニでリアル商品化
NFT(※)プロジェクト「Alice NFT」の世界観が、リアルなブロマイドとして登場した。
販売はファミリーマートとローソンの全国店舗で実施されており、両チェーンのマルチコピー機を通じて入手できる。
「Alice NFT」のブロマイドは、全11種類が販売される。
ファミマでは「ファミマプリント」、ローソンでは店内マルチコピー機を活用して、誰でも1枚から購入できる仕組みだ。
L判は税込300円、2L判は税込500円で提供され、いずれも現金のみ対応となる。
販売期間は2025年5月27日から7月28日23時59分までである。
SLASH VISIONは今回のコラボ企画を皮切りに、「Alice NFT」を軸としたリアル展開を本格化させる構えを見せている。
また、オリエントコーポレーション(オリコ)およびアイキタスと協業し、ステーブルコインUSDC(※)を担保としたクレジットカード「SlashCard」の開発も進めている。
同カードは後払い決済(BNPL)機能を備え、Visa加盟店での利用が可能となる予定で、2025年前半の提供が見込まれている。
国内居住者向けに、USDC担保型カードが提供されるのは初めてである。
※NFT:Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。ブロックチェーン上で唯一無二の資産を表現できる仕組み。主にデジタルアートやゲームアイテムなどに利用されている。
リアル化と金融サービス連携で広がるNFTの認知
「Alice NFT」のブロマイド販売は、NFTが一般層に認知される新たな足がかりとなる可能性がある。
従来、NFT(※)は一部のコレクターやWeb3愛好家の間で流通していたが、コンビニという日常的な接点で、消費者の手元に届けられることの意義は大きいだろう。
今回のようなリアル商品化により、NFTはより身近な存在へと変化しつつあるといえる。
また、オリコやアイキタスとの連携により、NFTやステーブルコインといったWeb3技術が、金融サービスや実店舗での購買体験と連動していく未来も現実味を帯びてきた。
デジタル資産のリアル展開は、単なる話題づくりにとどまらず、経済圏としての拡張性を示す重要な試金石となるだろう。
ただし、普及には支払い方法の柔軟性や認知向上といった課題も残されていると思われる。
「Alice NFT」の決済が現金に限定されていることからも、コンビニ側の対応やユーザーリテラシーの面で、まだ発展途上である部分もあることがうかがえる。
今後NFTの在り方がどう変化していくのか、引き続き注目していきたい。
※USDC:USD Coinの略。米ドルと1対1の価値を持つステーブルコインで、価格変動が少なく、決済や送金に利用されやすい。発行元は米Circle社。