無印良品がアプリを刷新、マイル制を廃止し新ポイント制度を導入 「1ポイント=1円」へ

2025年5月28日、良品計画はスマートフォン向け公式アプリ「MUJI passport」を9月上旬に「MUJI アプリ」として刷新し、同時に新たな会員制度「MUJI GOOD PROGRAM」を開始すると発表した。国内のユーザーを対象に、利用体験の向上と社会貢献の促進を目指す。
無印アプリが刷新、マイル制から即時利用可能な新ポイント制へ
良品計画が発表したアプリ刷新では、従来の「MUJI passport」から名称を「MUJI アプリ」へ変更し、デザインと操作性を全面的に見直す。
ネットストアとの連携強化により、店舗・オンライン双方での利便性を高め、買い物体験の向上を図る。
新アプリのコンセプトは「ちょうどいい、に出会う。あなたの暮らしのパートナー」だ。
アプリが会員証として機能し、ユーザーの購買履歴や興味に応じた商品提案や店舗情報などを個別に提供することで、生活に寄り添う存在を目指すという。
同時にスタートする「MUJI GOOD PROGRAM」では、これまでの「MUJIマイル(※)」によるステージ制を廃止し、購入100円ごとに1ポイントが付与されるシンプルな仕組みへと移行する。
このポイントは1ポイント=1円として、翌日以降すぐに買い物へ利用可能になる。
このポイントは買い物以外でも取得できる。
マイバッグの持参やリサイクル活動への参加、レビュー投稿やチェックインといった行動にも付与され、環境や地域社会への貢献を促進させる設計となっている。
また、貯めたポイントは商品の購入に使えるだけでなく、災害復興支援や乳がん啓発運動などへの寄付にも充当できる。これにより、ユーザーは日常の買い物を通じて手軽に社会貢献へ参加することが可能となる。
買い物と社会貢献が連動 利便性と共感性の両立を図る新制度
「MUJI GOOD PROGRAM」の導入は、従来の買い物中心のロイヤルティ制度から、ユーザーの生活行動や価値観に寄り添う方向へと舵を切ったものだと思われる。
特に、環境配慮や地域連携といった非購買行動にもポイントが付与される点は、企業理念と消費行動の接点を強める狙いがうかがえる。
ただし、切り替えに伴い現行制度の「誕生日特典」など一部サービスは終了する見込みであるため、利便性向上と引き換えに失われる特典もある点は留意すべきだ。
今後は8月に新アプリの詳細が改めて発表される予定だ。
良品計画はこの制度により「商品を買う」こと以上の体験価値をユーザーに提供しようとしているのではないだろうか。
シンプルさと共感性を両立させたアプリとポイント設計が、今後どのような評価を受けるのか、引き続き注目したい。
※MUJIマイル:現在のMUJI passportアプリ上で蓄積される従来の会員スコア制度。買い物や店舗訪問などで貯まり、ステージに応じた特典が付与される仕組み。