宮城県知事、AI活用で「制作費0円」の育樹祭PRソングを制作

2025年5月21日、宮城県知事がAIを駆使して育樹祭のPRソングを制作したことが発表された。制作費は実質ゼロ円で、県の広報活動に新たな手法を示した。
国内の自治体によるAI活用の先駆的な取り組みとして注目できる。
AIが生んだ育樹祭PRソング、制作費ゼロ円で実現
宮城県知事は、10月に県主催で開催予定の育樹祭を盛り上げるためにAIを活用した音楽制作を行った。
AIによる作曲と歌詞生成を用いることで、これまでかかっていた作曲やレコーディングの費用を大幅に削減し、制作費を実質ゼロに抑えた形で完成させている。
県知事がAIツールを操作し、育樹祭のホームページの文言を使用して、音楽のイメージや歌詞内容を指示したという。
完成したPRソングは県の公式サイトで公開されている。
AI導入の自治体広報、費用削減と表現多様化の両面効果期待
今回の宮城県の事例は、自治体がAIを活用することで、コスト面の大幅な削減が可能であることを証明した。従来の音楽制作は、外部の作曲家や演奏者への報酬、スタジオ費用などが必要であり、数十万円から数百万円の予算がかかることも珍しくない。
AIは低コストでありながら多様な音楽スタイルを生成できるため、地域特性やイベント内容に応じた柔軟な表現が可能になる。
この点は、広報の多様化や若年層へのアピールに資するだろう。
ただし、AIが作る音楽には「人間の感性」による微細なニュアンスが欠ける可能性もある。加えて、著作権の扱いやAI生成物の品質管理など、新たな課題も存在する。
今後は、AI活用によるコスト効率化が自治体の広報手法に広がると思われる一方で、技術的・倫理的な検討を重ねながら、質の高い地域発信の在り方を模索していく必要があると考えられる。
第48回全国育樹祭イメージソング:https://ikujusai2025-miyagi.jp/committee/imagesong.html