「LINEスタンプメーカー」、他社アプリに保存の画像データからスタンプを作成可能に 第1弾は「家族アルバム みてね」と連携

LINEヤフーは2025年4月30日、「LINEスタンプ」の作成・申請・販売ができる専用アプリ「LINEスタンプメーカー」において、他社のアプリに保存された画像データからスタンプが容易に作成できる機能の提供を始めたと発表した。第1弾として、家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」と連携した。
家族の思い出をスタンプに 「LINEスタンプメーカー」と「家族アルバム みてね」が連携開始
LINEヤフーが展開する「LINEスタンプメーカー」は、ユーザーが自身の画像を用いてスタンプを自由に作成・販売できるアプリとして、2025年4月時点で2500万ダウンロードを突破している。
今回新たに提供された機能は、同アプリと「家族アルバム みてね」とのシステム連携によって実現されたものである。
ユーザーは「家族アルバム みてね」アプリ内で、AIが自動選定した子どもの写真にスタンプ風のデザインを施した画像を生成し、そのままLINEスタンプメーカーへと送信可能になる。
このプロセスはすべて数ステップで完了し、スマートフォンのみで完結するため、デジタルツールに不慣れなユーザーでも手軽に利用できる設計となっている。
「家族アルバム みてね」は、株式会社MIXI(ミクシィ)が運営する家族向けの写真・動画共有アプリで、特に子育て世代の親が祖父母や親族と成長記録を共有する場として人気を集めている。
プライベート空間での利用を前提とした設計でありながら、日々の写真に新たな活用価値を付与することで、家族間のコミュニケーションをさらに広げる狙いがあると見られる。
AIで手間を省き、思い出をスタンプに 日常の感情共有が進化する新たな家族体験
今回の「LINEスタンプメーカー」と「家族アルバム みてね」の連携による最大のメリットは、ユーザー体験の大幅な簡略化にある。
AIによって写真が自動選定され、スタンプとして即座に生成・共有できるため、従来のように素材を選び、加工し、登録する手間が不要になった。
一方でデメリットとしては、AIによる写真の自動選定がユーザーの意図と必ずしも一致しない可能性がある点が挙げられる。
感情的なつながりや思い入れは、必ずしも「写りが良い写真」や「構図の整った写真」には反映されないため、自動化が進むほどに選択の主体性が失われる懸念がある。
この連携機能は、今後「日常の思い出をコンテンツ化する」文脈での利活用が広がる可能性がある。
LINEスタンプという日常的なコミュニケーションツールと、育児記録という私的なアーカイブを接続することで、家族内コミュニケーションを可視化し、感情の共有をより強化する方向に進化していくだろう。
たとえば、誕生日や行事ごとに自動で記念スタンプが提案されるなど、AIのパーソナライズ機能が一層高度化していく展開が予想される。