2026年6月22日、テイクアウト予約管理SaaS「テイクイーツ」を提供する株式会社ランプは、対話AIプラットフォーム「アイブリー」を展開するIVRyとのシステム連携開始を発表した。電話によるテイクアウト注文をAIが受け付け、その内容を自動で注文管理システムへ登録する仕組みである。人手不足が続く国内飲食業界において、電話対応の効率化と売上機会の拡大が期待される。
AIが電話注文を受付 店舗の負担を大幅削減
今回の連携では、顧客が店舗へ電話をかけると、アイブリーの対話AIが応答し、メニューや数量、受取時間、氏名など注文に必要な情報を聞き取る。その内容はテイクイーツへ自動連携され、注文データとして即時登録される仕組みだ。
これまで多くの飲食店では、スタッフが電話対応を行いながら注文内容をメモし、管理システムへ入力していた。特にランチや夕食のピーク時間帯には調理や接客と重なり、電話に出られないケースも少なくなかった。営業時間外の着信にも対応できず、注文機会を逃す要因になっていた。
導入の背景には、テイクアウト需要の定着と深刻な人手不足がある。電話注文はネット予約に不慣れな顧客にとって依然として重要なチャネルであり、当日受取や急な注文では利用頻度が高い傾向にある。一方で、聞き間違いや転記ミスによるトラブルも課題となっていた。
新システムは24時間365日対応し、複数の着信を同時処理できる点が特徴である。さらに、オプション選択や受取時間の調整など、テイクアウト特有の複雑な注文フローにも対応する。対話AIと注文管理システムを直接連携させることで、電話受付から注文管理までの業務を一気通貫で自動化する狙いだ。
飲食店DX加速へ AI電話受付が新標準となるか
電話注文データをデジタル化し、オンライン注文データと統合する取り組みは、店舗運営全体の最適化につながる可能性を秘めており、単なる電話代行サービスにとどまらないだろう。注文傾向の分析やピーク時間帯の把握など、経営判断に活用できるデータ基盤としての価値も高まりそうだ。
電話対応に費やしていた時間を削減できれば、スタッフは調理や接客、品質管理といった付加価値の高い業務へ集中しやすくなる。人材確保が難しい飲食業界において、生産性向上の有力な選択肢になると考えられる。
一方で、AIによる注文受付が広がるほど、認識精度や顧客体験の品質が重要になる。高齢者や方言利用者への対応、複雑な要望への柔軟な受け答えなど、人間の接客が持つ強みをどこまで再現できるかは今後の課題と言える。
電話注文は依然として多くの店舗で欠かせない販売チャネルである。ランプとIVRyは今後、連携機能の精度向上やデータ活用を進め、「AI×電話×注文データ」を軸とした新たな飲食店DXモデルの構築を目指す方針だ。AIが電話対応を担う仕組みは、飲食業界の新たな標準へ発展する可能性を秘めている。