2026年6月17日、ARグラスを手掛けるXREALは、次世代XRグラス「XREAL AURA」の今秋発売に向け、国内で限定特典プログラムの受付を開始したと発表した。GoogleのAndroid XRとAIアシスタントGeminiを採用し、軽量設計と高性能AIを両立した製品である。空間コンピューティング市場の本格普及を占う新たな一手として注目を集めそうだ。
Android XR採用でARグラスが次世代AI端末へ
XREAL AURAは、GoogleおよびQualcomm Technologiesとの協業によって開発された光学シースルー方式のXRグラスである。91gの軽量ボディと70度の広視野角を組み合わせ、現実空間にデジタル情報を重ねるMR(複合現実)やAR体験を実現する。
最大の特徴は、Googleの新たなXR基盤であるAndroid XRとGeminiを深く統合した点にある。ユーザーは音声や視線、ジェスチャーなどを活用しながら、AIとの自然な対話や操作を行える。スマートフォン中心だったAI活用が、より直感的な空間体験へ進化する可能性を示した格好だ。
処理性能面では、Qualcomm Technologiesの最新XR向けチップセット「Snapdragon Reality Elite」を採用した専用コンピュートユニットを搭載する。さらに独自開発の「XREAL X1S Spatial Coprocessor」により、低遅延な空間描画やセンサー処理を実現するとしている。
また、ハンドトラッキングや6DoF(※)に対応し、発売初日からGoogle Play経由で数百万本規模のAndroidアプリが利用可能となる見込みだ。これまでXR機器の課題だったアプリ不足への対応策としても注目される。
※6DoF:前後・左右・上下の移動に加え、回転も含めた6方向の動きを認識する技術。XR空間での自然な操作を支える。
AI時代の新プラットフォームへ 普及の鍵は価格と実用性
XREALは発売に先立ち、2種類の限定プログラムも開始した。15,000円で30,000円相当の購入特典を得られる「特典プログラム」と、45,000円分を製品代金に充当できる「初回限定パス」である。後者は世界2,000件限定となっており、発売日出荷保証やシリアルナンバー刻印などの特典も付与される。
こうした先行販売施策からは、一般消費者だけでなく開発者やクリエイターを早期に取り込み、Android XR向けエコシステムの形成を急ぐ狙いがうかがえる。AppleやMeta、Googleなど大手各社が空間コンピューティング市場への投資を拡大するなか、XREALは軽量性とAI統合を武器に差別化を図る構えだ。
もっとも、GeminiによるマルチモーダルAIと空間認識技術が成熟すれば、エンターテインメントだけでなく教育、医療、企業向け業務支援などへの活用も期待できる。
XREAL AURAは単なるARグラスではなく、AI時代の新たなコンピューティング端末として市場の方向性を占う存在になりそうだ。