2026年5月18日、SoftBankは、法人向けイベント「SoftBank World 2026」を7月14日に開催すると発表した。今回のテーマは「- AX for Japan – 未来をつくる力が、ひとつになる場所。」であり、自律型AIやソブリンクラウド(※1)など次世代技術を軸に、日本企業のAI活用を本格化させる狙いが鮮明になっている。
ソフトバンク、AX推進を前面に打ち出す
「SoftBank World」は今年で15回目を迎える同社最大級の法人イベントであり、企業向けデジタル戦略の発信拠点として存在感を高めてきた。今回は「AX for Japan」を掲げ、AIによる業務変革だけでなく、企業構造そのものを変える取り組みを強調している。
イベントでは、自律型AIやフィジカルAI(※2)、セキュリティ分野に加え、ソフトバンクが進める「AXインテグレーター」としての事業戦略も紹介される予定だ。単なる通信企業ではなく、企業変革を支援するAI基盤企業としての立場を鮮明にする構図と言える。
また、孫会長による特別講演は7月14日10時からライブ配信され、その後に宮川社長が登壇する。加えて、20以上の事前収録講演も配信される予定であり、7月21日から8月31日まではオンデマンド視聴にも対応する。
法人登録を行えば無料でオンライン視聴できる点も特徴である。AI導入を検討する企業にとって、最新事例や業界動向を効率的に収集できる場になる可能性が高い。
※1 ソブリンクラウド:国外企業への依存を減らし、データ主権や安全保障を重視して運用されるクラウド基盤のこと。政府や大企業を中心に導入議論が進んでいる。
※2 フィジカルAI:ロボットや自動機械など現実空間で動作するシステムにAIを組み込み、自律的な判断や行動を可能にする技術領域。
日本企業のAI競争は“導入”から“統合”へ
今回の「SoftBank World 2026」が示す最大の変化は、日本企業のAI活用が単なる実験段階から、本格的な経営統合フェーズへ移行し始めた点にある。
これまで多くの企業では、生成AIを一部業務の効率化に限定して導入するケースが中心だった。しかし現在は、営業、顧客対応、開発、セキュリティまで横断的にAIを組み込む「AX」が新たな競争軸になりつつある。
特に、ソフトバンクが強調する自律型AIは、人の指示を待たず複数工程を自動実行する仕組みとして注目されている。実用化が進めば、人材不足への対応や業務コスト削減につながる可能性がある一方、誤作動や情報管理リスクへの懸念も残る。
さらに、ソブリンクラウドへの注目拡大は、日本企業がAI活用と同時に「データ管理の主導権」を重視し始めたことを意味する。生成AI時代では、単に高性能なAIを使うだけではなく、「どこで」「誰の管理下で」データを扱うかが経営課題になりつつあるためだ。
今後は通信会社、クラウド企業、AIベンダーの境界がさらに曖昧になり、日本国内でも「AIインフラ競争」が本格化していく可能性が高い。