2026年4月16日、米Googleは2025年の広告安全性に関する年次報告を公表した。生成AIの普及で悪質広告が増加する中、自社AI「Gemini」を活用し、掲載前に83億件超を阻止したと発表。検知精度と誤検知低減の両立が進んでいる。
Geminiで広告審査が高度化
Googleによれば、2025年に掲載前にブロックした悪質広告は83億件を超え、前年の約51億件から約6割増となった。背景には生成AIの普及による広告不正の高度化があり、従来のルールベースでは対応が難しくなっていた。
これに対し、同社は生成AI「Gemini」を広告審査に導入。広告文面だけでなく通信信号や挙動パターンまで横断的に解析することで、不正の兆候を事前に検知できるようになった。
結果として約2490万件の広告主アカウントを停止し、ユーザーに表示される前に99%以上を遮断したとされる。
特筆すべきは、正当な広告主を誤って停止するケースが前年比で約8割減少した点である。精度向上と利便性の両立が進んだことは、広告プラットフォームとしての信頼性強化につながる動きと言える。
AI審査は標準化へ 企業と規制の攻防続く
今回の取り組みは、広告審査におけるAI活用が「補助」から「中核」へ変化したことを表す動きと言える。特に投資詐欺などの分野では約6億件の違反広告が検知され、関連する400万超のアカウントが停止された。AIを活用した被害拡大の抑止には一定の効果があると考えられる。
一方で、AIによる判断の透明性や説明責任を巡る課題は依然残る。どのような基準で不正と判定されたのかがブラックボックス化すれば、広告主側の不信感を招く可能性がある。
今後、プラットフォーム側は検知精度のさらなる向上と説明性の確保を求められ、企業側も透明性の高い広告運用へのシフトが不可避となる。
広告ビジネスは、信頼性を軸に再設計される局面に入ったと言えそうだ。
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