Googleスプレッドシート、Geminiが表をテーブル化 自動命名と数式更新に対応

2025年8月27日、米Googleは「Google スプレッドシート」において、表をテーブルに変換する新機能を発表した。Geminiがデータ命名や数式の範囲更新を自動化することで、作業効率の向上が期待されている。
Geminiが表をテーブル化し自動命名と数式更新を実現
米Googleはスプレッドシートにおいて、表をテーブルに変換(※)する際にGeminiが補助する機能を追加した。
具体例としては、ユーザーが変換を承認するとテーブルに適切な名前が自動で付与され、従来は「=SUM(E2:E15)」のようにセル範囲で指定していた数式が、「=SUM(2025_Expenses\[Amount])」のように数式に名前をつけた形式に変換される。
これにより、計算範囲が直感的に把握しやすくなる仕組みだ。
さらに、テーブルに行や列を追加・削除した場合、関連する数式が自動的に調整されるため、手動で範囲を更新する必要がなくなる。
今回の機能は、即時リリースドメインにおいて段階的に展開が開始されており、計画的リリースドメインは9月12日より順次適用予定だ。適用完了まで最大15日を要する。
対象は主要なGoogle Workspaceプランに加え、Gemini BusinessおよびGemini Enterpriseアドオン加入者が含まれる。
※テーブル変換:スプレッドシート上の表形式データを、名前付き範囲や動的参照を持つテーブルに変換する機能。これにより数式やフィルタが自動更新され、管理効率が向上する。
効率化とリスクの両立 自動化依存に課題も
この新機能により、企業内での共同作業は大幅に効率化される見通しだ。
特に、複数の担当者が同じスプレッドシートを編集する場合、数式更新の自動化は作業時間短縮と直感性向上によるエラー防止につながり得る。
また、表をテーブルに変換することで、データベースに近い管理が手軽に実現し、財務やプロジェクト管理の精度が向上すると期待できる。
一方で、Geminiによる命名や範囲調整がユーザーの理解を伴わずに行われることで、複雑なデータ構造ではかえって混乱を招く懸念もある。
自動化に依存しすぎれば、本来命名されるべき要素から逸脱した想定外の挙動が発生する場合も考えられる。その際は、修正が困難になるリスクが残るだろう。
今後は、AI補助と手動管理の最適なバランスが課題となりそうだ。
Googleがどこまでカスタマイズ性を維持しつつ、自動化の恩恵を拡大できるかが、利用者の定着に大きく影響すると考えられる。











