Microsoft、Windows版Copilot新機能　AIによる自然言語ファイル検索を追加

2025年8月20日、米Microsoftは「Copilot on Windows」に自然言語でファイル検索できるセマンティック機能と新しいホーム画面を追加すると発表した。まずはWindows Insider Programのテスター向けに順次提供される。

Windows版Copilotが自然言語検索と新UIを搭載

Microsoftは「Copilot」アプリのバージョン1.25082.132.0以降で、AIを活用したセマンティックファイル検索（※）と刷新されたホーム画面を提供する。

セマンティック検索では、ファイル名を正確に覚えていなくても「夕日の橋の画像を検索」といった自然言語の指示で、AIが関連するファイルを提示できる。

履歴書やレシピなど曖昧な依頼にも対応するのが特徴だ。
「Copilot」のファイルへのアクセス権限は設定画面で調整でき、意図しないファイルを覗かれないようになっている。

新ホーム画面では、最近使ったアプリやファイル、チャット履歴が一覧で表示され、以前の作業にスムーズに戻れる。「Copilot Vision」を用いればデスクトップの内容をAIに共有し、リアルタイムで操作を補助してもらうことも可能だ。

表示される情報はユーザーが「Copilot」にアクセスを許可したローカルデータに限られ、クラウドやシステム全体への無断アクセスは行われない。

※セマンティックファイル検索：AIが文脈や意味を理解して検索を行う技術。従来の文字列一致型検索とは異なり、自然言語による指示で結果を導き出す。

AI検索の利便性と課題、今後の業務活用の展望

AIによる自然言語検索の導入は、膨大なファイル管理の効率化や業務の生産性向上につながると考えられる。特に、直感的な操作で目的の資料をすぐに見つけられる点は、特にビジネスシーンでのメリットが大きい。

一方でAIがファイル内容を解析する性質上、設定不備や誤操作によるプライバシーリスクは無視できない。

企業内での導入に際しては、権限管理やデータアクセス制御の整備が不可欠である。

昨今のAIツールの進化は著しく、将来的には様々な業界においてクラウドや社内システムとの統合も進むと考えられる。

AI検索は個人利用に留まらず、組織全体の作業効率化に寄与するポテンシャルが高いため、利点は多い。

今後は現在以上に、利便性と安全性の両立が導入の成否を左右する重要なポイントとなるだろう。