メタマスク、セイ(Sei)をネイティブ対応 専用ページ新設でWeb3体験強化

2025年8月6日、米コンセンシスが提供するWeb3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」が、レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」のネットワークへのネイティブ対応を開始した。ブラウザ拡張版・アプリ版ともにセイがデフォルトで利用可能となった。
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メタマスク、セイを公式サポートに追加し利用環境を拡充
メタマスクは今回の対応で、サポート対象ネットワークリストにセイを追加した。
これにより、ブラウザ拡張版およびスマートフォン向けアプリ版で、セイのネットワークがデフォルトで選択できるようになった。
また「メタマスクポートフォリオ」にはセイ専用の特設ページが新設され、セイ基盤のdapps(分散型アプリケーション)、トークン、ゲーム、NFTが特集されている。
セイは高速処理と低遅延を特徴とするレイヤー1チェーンで、DeFi(分散型金融)やNFT取引に適性がある。
マルチチェーン化がもたらす成長機会と安全性の課題
今回の対応により、メタマスクはユーザー拡大の好機を得るだろう。
特にDeFiやNFT市場では複数チェーン間の取引が日常化しているため、ワンクリック接続は新規層を呼び込みやすいと言える。利便性向上はエコシステム全体の流動性向上にもつながる要素だ。
しかし、対応チェーンが増えることで、セキュリティ監視や障害対応の負担が増大する点は無視できない。
各ネットワーク固有の脆弱性への即応や、詐欺・フィッシング対策の強化は不可欠だろう。
ユーザー側も、複数資産の管理に伴う誤送金や詐欺には注意する必要がありそうだ。
将来的には、非EVM系を含む多様なチェーン対応がWeb3全体の相互運用性を押し上げ、特定チェーンへの依存を減らす方向へ進むと予想される。
利便性と安全性の両立こそが、今後マルチチェーン時代におけるウォレット競争の焦点になるだろう。