ソースネクストが買い切り型AI文字起こしソフトを発売 月額不要でセキュアな音声解析が可能に

2025年6月26日、ソースネクスト株式会社がWindows向けのAI文字起こしソフト「RecText AI」を発表した。価格は税込9,980円の買い切り型で、クラウドを介さない完全オフライン処理により、セキュリティ重視の現場にも適している。
買い切り9,980円で使い放題 機密性も強化したAI文字起こし
ソースネクストは、Windows PC専用のAI文字起こしソフト「RecText AI(レックテキスト エーアイ)」を2025年6月26日に発売した。
ダウンロード版のみで、税込9,980円。1ライセンスで最大3台のPCまで利用できる。
対応OSはWindows 10および11(64bit版)である。
このソフト最大の強みは、すべての処理がローカル環境で完結することだ。
クラウド上で動作していた従来のAI文字起こしエンジン「オートメモ(※1)」のオフライン版が搭載されており、開発も「オートメモ」と同じ「ソースネクストAIラボ」が手がけている。
精度の高い音声認識を、一般的なパソコン上で軽快に実行できるよう最適化されている点が特徴だ。
録音や録画ファイルをPC外に送信することなく文字起こしができるため、機密性の高い会議やセキュリティ要件の厳しい業務でも導入しやすい。
文字起こしの対象は、PC内の音声、マイク入力、動画・音声ファイル(mp4、wmv、wav、mp3)と幅広い。
加えて、録音・録画中のメモ機能も備えており、重要ポイントへのブックマークやコメント追加、ToDo管理など議事録用途にも対応しているため、効率的な確認・共有が可能だ。
※1 オートメモ:ソースネクストが提供するAI文字起こし端末およびサービス。高精度な音声認識技術を搭載し、会議や取材での録音内容を自動でテキスト化する。
ローカル処理のメリット、利便性と機密性
「RecText AI」は、近年増加するサブスクリプション型サービスへの代替手段として注目できる。
多くのAI文字起こしツールが月額制で提供されるなか、本製品は一度の購入で利用制限なしに使用できるという点が差別化要素だ。予算管理が求められる中小企業や、定期的に大量の文字起こしが必要な部署にとっては、導入コストの明確さと低さが大きな利点となるだろう。
また、クラウドを利用しないオフライン処理は、医療・法律・製造業など、情報漏洩リスクを最小化したい現場にも適していると考えられる。
一方で、ローカル処理(※2)であるがゆえに、ハードウェア性能に依存する側面もあると考えられる。長時間の音声処理や高精度な認識を求める場合には、ある程度のスペックを備えたPC環境が必要になるだろう。
クラウド全盛の時代に逆行するようでいて、むしろ本質的な安心と利便性を求める層には深く刺さる製品となるだろう。
※2 ローカル処理:インターネットを介さず、利用者の端末上でデータ処理を完結させる方式。クラウド処理と比較して情報漏洩リスクが低く、応答速度にも優れる。