鴻海とエヌビディアがAIサーバー工場に人型ロボット導入へ　米ヒューストンで2026年稼働目指す

2025年6月20日、台湾の鴻海精密工業（ホンハイ）と米エヌビディアが、米テキサス州ヒューストンに建設中のAIサーバー工場に人型ロボットを導入する計画を進めていると報道された。関係筋によれば、量産ラインへの投入は2026年第1四半期を目標としている。

エヌビディアAIサーバーを人型ロボットが製造へ

鴻海とエヌビディアは共同で進めるヒューストン新工場の自動化戦略として、人型ロボットの導入が計画されているようだ。
人型ロボットの支援を受けてエヌビディア製品が製造されるのは初の事例となる見込みだ。

鴻海にとっても、人型ロボットを正式に生産ラインへ組み込むのは今回が初めてとなる。
両社は数カ月以内に導入の最終決定を下すとみられており、既に中国のロボットメーカーUBテックの製品もテスト運用中であるという。

これに加え、鴻海とエヌビディアは独自開発の人型ロボットも共同開発しており、これらのロボットをヒューストン工場の複数の工程に適用する計画が進行中だ。
なお、具体的なロボットの外観や台数、どの工程に投入されるかといった詳細はまだ公開されていない。

人型ロボット導入がもたらす製造革新と課題

本取り組みは、製造現場におけるAI技術とロボティクスの融合を象徴するものであり、世界のハイテク産業における自動化の新たな一歩と捉えられる。

ヒューストン新工場での試みが成功すれば、他の電子機器製造現場にも波及し、エヌビディアの生産体制全体に大きな変革をもたらす可能性がある。
また、労働力不足や人件費の高騰に直面する米国内において、ロボット導入は持続可能な生産体制の構築に寄与すると考えられる。

一方で、実際の運用には技術的・経済的な課題が残るだろう。
人型ロボットの精密な動作制御には高度なソフトウェアとセンサー技術が不可欠であり、メンテナンスやトラブル対応の体制整備も求められる。また、製造現場の柔軟性が向上する一方で、導入コストや従業員との協調面における検討も欠かせない。

今後、量産体制が本格稼働する2026年初頭に向けて、鴻海とエヌビディアがどのような技術的ブレークスルーを実現するか、引き続き注目したい。