2026年9月17日、国内のメルカリは、写真撮影やバーコード読み取りだけで商品の相場価格を確認できる「持ち物査定」機能の提供を開始した。AIによる価値の可視化を出品へのきっかけにつなげる狙いだ。
メルカリ、AIで持ち物の相場価格を即時査定
「持ち物査定」は、手元にある商品をカメラで撮影すると、AIが写真から商品を推定し、「メルカリ」における類似商品の取引情報をもとに価格の目安を表示する機能である。バーコードの読み取りにも対応し、査定結果の表示後に条件を絞り込んで再査定することも可能だ。
査定結果は「持ち物一覧」に自動保存され、ユーザー自身で管理・削除できる。さらに、結果画面から「出品の準備に進む」を選択すれば、そのまま出品に向けた手続きへ移行でき、「持ち物一覧」から出品することも可能となる。
背景には、家庭内に眠るモノの価値が十分に把握されていないという課題がある。メルカリが2025年に発表した調査では、日本の家庭に眠る「かくれ資産(※)」は約90兆5,352億円、1人あたり約71.5万円と推計された。
また、出品経験者を対象とした調査では、5割以上が自宅に眠るモノを「出品したい」と回答している。
一方、「高値で売れそうにない」「購入希望者が少なそう」といった不確実性が、出品できていない理由の上位となっていた。
今回の機能は、こうした不確実性を価格の目安という具体的な情報に置き換えるものだ。
※かくれ資産:家庭に保管されている不要品などのうち、売却することで現金化できる可能性がある資産を指す。
査定が出品を促進 市場活性化と価格精度が焦点に
今回の機能によって、これまで価値を知らないまま保管されていた商品について、売却を検討するきっかけとなる可能性がある。写真を撮るという手軽な操作から査定、出品までをつなげることで、出品時に生じる心理的なハードルを下げる効果も期待できる。
特に、査定結果が「持ち物一覧」に蓄積される点は、単発の価格確認にとどまらず、自宅にある商品の価値を継続的に把握する使い方にもつながると考えられる。メルカリにとっても、出品される商品の増加を通じてマーケットプレイスの活性化を促す導線となりうるだろう。
一方で、AIによる商品推定や類似商品の取引情報を基にした査定であるため、表示価格はあくまで相場の目安であり、実際の売却価格を保証するものではない。商品の状態や付属品など、写真だけでは判断しにくい要素によって実際の価値が変わる可能性にも注意が必要だ。
今後、価格を知るだけで終わらず、実際の出品行動へどこまで結び付くかが重要になる。メルカリが「モノの価値を知る」体験を入口として、家庭に眠る商品の流通をどこまで促進できるかが注目される。