2026年8月13日、国内のUbicomホールディングスは、日本IBMのAI駆動開発ソリューション「AI Lifecycle Shared Engineering Artifacts(ALSEA)(※)」の活用を開始した。大規模エンタープライズ案件で効果検証を進め、AI駆動開発の知見を社内外へ展開することで、開発案件の拡大を目指す。
Ubicom、「ALSEA」を大規模案件に適用
Ubicomはこれまで、日本IBMの戦略パートナーとして、AIプラットフォーム「watsonx」や「IBM Bob」を活用したAI駆動開発を推進してきた。今回、新たにALSEAを開発プロセスへ組み込み、さらなる高度化を図る方針である。
2027年3月期第1四半期からALSEAを活用した大規模エンタープライズ案件では、概念実証(PoC)を経て本開発フェーズへ移行し、すでに収益への貢献を開始した。Ubicomは要件定義などの上流工程から参画しており、開発効率化で得られた成果を再利用可能なナレッジとして日本IBM社内にも共有している。
その結果、日本IBMの複数の開発チームからAI駆動開発について問い合わせが寄せられており、Ubicomが蓄積した知見の横展開も進んでいる。単一案件での活用にとどまらず、AIを組み込んだ開発手法そのものを組織的に広げる動きへ発展している点が特徴だ。
※ALSEA:日本IBMが培った大規模開発や組込みシステム開発の知見・ルールを、「IBM Bob」が理解・活用できるコンテキストとして体系化した、エンタープライズ向けAI駆動開発ソリューション。
AI開発体制を200人へ 高付加価値化を狙う
今回の取り組みは、Ubicomが進める事業構造の転換とも直結する。同社は2026年3月期を「構造転換期」と位置づけ、従来の人月モデルから、生成AIを活用した高付加価値・高生産性のAI駆動開発モデルへの移行を戦略的に進めてきた。
今後は日本IBMとの戦略的パートナーシップをさらに強化し、ALSEAを活用したシステム開発を継続する。さらに、本開発で得た知見やプロセスを日本IBMの他プロジェクトや既存顧客など幅広いAI開発案件へ展開し、エンタープライズ領域での案件獲得・拡大につなげる考えである。
また、日本IBMが掲げるALSEAの年内100プロジェクトへの適用目標や、レガシーシステム刷新に向けた「2025年の崖」への対応を背景に、Ubicomの役割が広がる可能性もある。
一方、AI駆動開発の適用範囲が拡大すれば、開発品質や人材育成を継続的に管理する必要性も高まる。
Ubicomは現在約70名が従事するAI駆動開発体制を、今期中に200名規模へ拡大する目標を掲げる。AIネイティブエンジニアの育成と実案件での知見蓄積を両輪とし、企業向けAI開発への対応力を高める構えだ。