DEAは、「地図の日」に関する調査結果を公表した。
位置情報アプリの利用実態とともに、市民がインフラ点検に関与する新たな社会モデルへの関心が高まっていることが明らかとなった。
位置情報活用で市民がインフラ点検に参加
2026年4月10日、Digital Entertainment Asset(DEA)は、シンガポールのGrowth Ring Grid Pte. Ltd.(GRG)と共同で、4月19日の「地図の日」に合わせた調査を発表した。
対象は全国の20〜60歳男女300人で、位置情報データを活用したアプリの利用状況や意識を分析している。
調査によれば、外出時に地図アプリを利用する人は47%、位置情報ゲームの利用経験者は約35%に達したという。
主な利用目的は「ポイ活」が約54%で最多となり、「健康維持」が約42%で続く結果となった。実利と運動を組み合わせた利用が広く定着している状況がうかがえる。
一方で、日本のインフラ老朽化について「詳しく知っていた」と回答した人は10%にとどまった。
国内には約3,600万本の電柱が存在するが、その劣化を「意識していない」とする回答は78%に上る。
ただし、災害時に電柱の倒壊などが生活へ影響を及ぼすと認識している人は約64%に上った。
こうした背景のもと、スマートフォンで電柱などを撮影し報酬を得る社会貢献ゲームへの参加意向は約62%に達した。
DEAらが展開する「PicTrée」は、位置情報データとゲーミフィケーション(※)を組み合わせ、市民が日常行動の中でインフラ点検に関わる仕組みを提供している。
※ゲーミフィケーション:ゲームの要素(報酬、競争、達成感など)を非ゲーム分野に応用し、ユーザーの参加や行動を促進する手法。
市民参加型インフラ点検の可能性と課題
本取り組みはインフラ点検という専門領域を市民参加型へと拡張し、人的リソース不足を補完し得る点が大きいだろう。
日常の移動や散歩といった行動がデータ収集に転換される仕組みは、継続的かつ広域なモニタリングを実現する可能性がある。
さらに、報酬と社会貢献を組み合わせた設計は参加ハードルを下げ、結果としてデータ蓄積のスピードと量の両面で優位性を持つ展開につながると見込まれる。
一方で、デメリットとしてはデータ品質のばらつきが避けられず、実務活用の信頼性に課題が残ることが挙げられる。
投稿内容の精度や一貫性に加え、不正投稿や報酬目的の過剰行動が発生するリスクも懸念事項だ。
また、専門性を要する点検業務に一般ユーザーの情報をどこまで組み込めるかは慎重な設計が必要となる。
今後の展望としては、自治体やインフラ事業者との連携が進むことで、収集データの公式活用が段階的に拡大する可能性がある。
特に人材不足が深刻化する日本では、市民参加型モデルが補完的手段として一定の役割を担う局面が訪れることが予想される。
ただし、制度の実効性はインセンティブ設計とデータ検証プロセスの精度に左右されるため、技術的・制度的な両面での高度化が進むかどうかが普及の分水嶺になるだろう。
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