アイドルAIアバターとの対話型エンタメ「推しバース」β版、名古屋駅に登場

2025年12月11日から、名鉄百貨店メンズ館1階(ナナちゃん人形横)にて、等身大AIアバターとの対話型エンターテインメント『推しバース』のベータ版が提供開始される。
名古屋のアイドルユニット「dela」のメンバーがAIアバターとして登場し、来場者が対話を体験できる取り組みである。
名古屋駅で“AIの推し”と対話体験 地元連携による新エンタメ始動
3日、株式会社アスピレテックは、名鉄生活創研および萩原エレクトロニクスと共同で、等身大AIアバターとの対話型エンターテインメント『推しバース』ベータ版を名鉄百貨店メンズ館(名古屋駅)で提供開始すると発表した。
『推しバース』は、AIアバターと1対1で会話できる新感覚エンターテインメントだ。体験者は等身大AIアバターと二人きりで没入感のある会話を楽しむことができる。
AIアバターはふたりの会話の記憶を蓄積し、これまでの会話内容や対話時の感情に応じて会話内容が変化する。
本ベータ版では、名古屋発のアイドルグループ「dela」の8名がAIアバター化された「dela type-AI」として登場する。
体験期間は2025年12月11日から2026年2月28日まで、場所は名鉄百貨店メンズ館1階(ナナちゃん人形横)に設置された特設ブース2カ所。
体験は1回5分500円(税込)で、予約は12月4日より開始される。
本事業は、愛知県の「革新事業創造提案プラットフォーム(A-IDEA)」に採択され、名鉄グループの共創プロジェクト「名鉄オープンイノベーションLab」の一環として実施される。
地元企業と世界最先端技術の融合により、再開発の期待が高まる名古屋駅で新たなエンターテイメント事業として展開される。
“推し活×AI”が拓く新市場 地域活性と倫理課題の両立が焦点に
『推しバース』の最大のメリットは、AI技術を活用して“個別最適化された推し体験”を実現できる点にあるとみられる。
従来のデジタル推し活が一方向的な視聴や購入体験にとどまっていたのに対し、本サービスにより「推しと対話する」という新たな没入体験がもたらされることは注目に値する。
地方発のAIエンタメとして、名古屋駅エリアの回遊性向上や観光促進など、地域経済への波及効果も期待できそうだ。
一方で、課題も存在する。
AIアバターとの長期的な対話が、現実との境界を曖昧にする懸念や、データ利用の透明性・感情生成の倫理性といった課題は今後も議論を呼ぶと考えられる。
利用者が“人格的な親しみ”を抱くほど、AIが生成する応答の責任範囲や心理的依存への対応が問われていくだろう。
今後は、AIアバターの多様化や業種横断での展開が進むと予想できる。
観光・接客・教育・医療など、対話を通じたパーソナライズが価値を持つ分野では、同技術の社会実装が広がっていくとみられる。
AIが「推し」を超えて、人との関係を再定義する存在となるか、その行方に注目が集まりそうだ。
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