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    英中銀、副総裁がステーブルコイン規制緩和に言及 金融安定性の懸念も

    2025年11月11日、英イングランド銀行のサラ・ブリーデン副総裁がロイターのインタビューで、ステーブルコインの規制緩和は英国の金融安定性を損なう恐れがあると警告した。
    米国とは状況が異なる英国では、別の対応が求められるとの考えも示した。

    目次

    ステーブルコイン規制緩和で信用収縮リスク 英中銀副総裁が懸念示す

    ブリーデン副総裁は、ステーブルコイン(※)発行者が資産の最大60%を短期国債に投じられる10日の提案について、裏付け資産の40%を中銀に預ける基準は「過去の金融ストレスを踏まえたもの」と指摘した。
    米シリコンバレー銀行(SVB)破綻やUSDCのペッグ乖離で生じた急激な資金流出を例に、類似の事態を防ぐ狙いがあると説明した。

    さらに、個人のステーブルコイン保有上限を2万ポンド、多くの企業の上限を1,000万ポンドとする暫定措置について、銀行預金から資金が大量に流出することで生じる信用圧力を「半減させる狙いがある」と述べた。
    英国では住宅ローンや消費者ローンの約85%が銀行融資に依存しているとしたうえで、この新しい形態の通貨を導入する過程では、従来とは異なるリスクを管理する必要があると述べた。

    ステーブルコイン:法定通貨に価値を連動させた暗号資産。価格変動を抑える設計が特徴。

    安定と成長の両立へ 英国が探る最適な制度設計

    英国がステーブルコイン規制で慎重姿勢を示す背景には、銀行融資が経済の基盤を支えるという独自の金融構造が影響しているとみられる。
    資金が急激にデジタル通貨へ流れれば信用収縮が生じかねず、保有上限や裏付け資産を制度に組み込むことで、こうしたリスクを一定程度抑えられるだろう。
    銀行機能の急激な毀損を防ぎ、金融安定を維持しやすくなる点は、今後もメリットとして評価されていきそうだ。

    一方で、規制が硬直化すれば市場の成長を妨げる懸念も浮かぶ。
    保有上限が厳しければ利用拡大が進みにくくなり、裏付け資産の縛りが強まれば事業者の運用自由度も狭まる可能性がある。
    イノベーションの余地が削がれれば、国際市場との競争で後れを取る展開も否定できない。

    今後は、金融安定と市場発展のバランスをどのように取るかが焦点になっていきそうだ。
    英中銀は慎重路線を維持するとみられるものの、国際的な規制の進展を踏まえて枠組みを適宜見直す場面が出てくると考えられる。
    特に、裏付け資産比率や保有上限の妥当性については、市場の動向を注視しながら調整が加わる可能性も視野に入りそうだ。

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