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    米Circle、USDCステーブルコインで合法銃器決済が可能に 規約改定の狙いとは

    2025年10月28日、米ステーブルコイン「USDC」を発行するCircleは、利用規約を更新し、銃器・弾薬・爆発物などの取引禁止範囲を「適用される法律に反する武器」に限定した。

    目次

    USDC利用規約改定で合法銃器購入に支払い余地を明示

    米国のステーブルコイン発行企業Circleは、米ドル建てステーブルコイン「USDC」の利用規約を10月28日付で改定したと公式サイト上で明らかにした。

    改定前の規約では、銃器や弾薬、爆発物などの取引に関して制限を設けており、Circleがこれらの取引を監視または制限する権利を保持するとしていた。
    今回の改定ではその文言が変更され、禁止対象が「適用される法律に反するあらゆる武器」と明記された。

    この変更によって、例えば「法令に基づき販売・購入が認められた銃器・弾薬」については、USDCを用いた決済が直ちに禁止行為とはならない可能性が浮上した。

    一方で、違法な武器取引や規制対象を回避する目的の取引は引き続き禁止される旨も示されており、決して銃器決済が全面的に自由化されたわけではない。

    この動きに対し、米国議会の一部議員や銃所持の権利支持派から歓迎の声も上がっている。
    たとえば、ワイオミング州選出の上院議員Cynthia LummisはX(旧Twitter)で「Circleが既存法体系に沿い、合法的な銃保有者の権利を尊重した」と投稿した。

    ただし、Circle自身から本件に関する公式な声明は発表されておらず、改定の背景にある政策的な意図や、米国のステーブルコイン規制法案であるGENIUS Actとの関連性も明らかになっていない。

    ステーブルコイン決済が切り開く新たな商取引の形

    USDCの規約改定は、ステーブルコインが「投資」から「実需」へと進化する契機となる可能性がある。
    合法的な銃器取引における利用が明示されたことで、暗号資産による実物決済の新領域が開かれるだろう。
    これにより、認可業者がUSDCを決済手段として採用すれば、送金コストの削減や即時決済といった利便性が向上し、国際的な商取引のスピードアップにも寄与すると考えられる。

    しかし、自由化には相応のリスクも伴いそうだ。
    暗号資産の匿名性が高いことから、合法と違法の境界が曖昧になりやすく、マネーロンダリングや不正輸出などへの悪用リスクは拭えないだろう。
    特に、銃器というセンシティブな分野での決済解禁は、国際的な監視網の強化を招く可能性がある。
    規制当局はAML・CTF(※)の観点から、取引の可視化やライセンス制度の厳格運用を迫られるとみられる。

    今後は、ステーブルコインがいかに「金融規制と実需拡大の両立」を実現できるかが焦点となりそうだ。
    もしUSDCが合法的な商取引の標準手段として浸透すれば、暗号資産経済は「投資」から「決済」へと新たな段階に移行する可能性がある。
    その動向は、Web3経済圏全体の制度設計にも影響を及ぼすことになるだろう。

     ※AML・CTF:マネーロンダリング防止(Anti-Money Laundering)およびテロ資金供与対策(Countering the Financing of Terrorism)政策。

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