「甲虫王者ムシキング」をWeb3化 MUSHIトークン活用のブロックチェーンゲーム開発

2025年10月29日、東京都渋谷区のスタートアップ 株式会社Kyuzanは、株式会社セガからライセンス許諾を受けた人気カードゲーム「甲虫王者ムシキング」を題材とし、ミームコイン「MUSHI」をユーティリティとするブロックチェーンゲーム『MUSHInomics with MUSHIKING』を開発中と発表した。
ムシキングIP×MUSHIトークンで期間限定Web3カードバトル登場
Kyuzanは、セガが2003年に開始したムシキングシリーズをブロックチェーンゲーム化するプロジェクトを発表した。
ムシキングは累計出荷枚数4億9,800万枚、公式大会10万回以上の実績を誇るキッズ向けカードゲームであり、じゃんけんルールを取り入れた直感的バトルが特徴である。
今回のタイトル『MUSHInomics with MUSHIKING』は、MUSHIトークンの初のユーティリティとしてリリースされる。ゲーム特化型ブロックチェーンOasysの中核レイヤーに位置するHub Layer上で発行されたトークンを、ゲーム内消費および報酬に据えている。
トークン総発行枚数は10億枚となっている。
ゲーム内容は、約90種類の過去シリーズ登場ムシカードをガチャ形式(トークン消費によるMint ※1)で取得するほか、カードを「SBT(Soulbound Token ※2)」形式で一定期間利用する仕様となっており、売買や譲渡は不可である。
配信は2025年11月上旬を予定し、リリース後から約6週間の限定イベントとして展開される予定である。
Webブラウザ対応、基本プレイ無料、専用トークン消費でカード購入可能というモデルが採用された。
※1 Mint:ブロックチェーン上で新規トークンやデジタル資産を発行(生成)する行為である。
※2 SBT(Soulbound Token):譲渡や売買が禁止された、特定ユーザーに紐付くトークン形式である。
「Web3×IP再生」の新モデルとなるか
本プロジェクトの最大の強みは、国民的IP「ムシキング」をWeb3領域へ転換した点にあるといえる。
既存ファン層と新規ユーザーを、トークン経済やイベント構造によって自然に接続できる設計は、IP再生の新たな成功モデルとなる可能性を秘めている。
特に、MUSHIトークンを「遊びに参加する鍵」として明確化した点は、投機目的ではなく体験重視のトークン活用として評価されるだろう。
一方で、SBT形式による期間限定カード設計は、資産としての所有感を得にくく、継続的なコミュニティ形成に課題を残すと考えられる。
また、イベント終了後にプレイヤーの熱量をどう維持するかは、Web3ゲーム全体の共通課題でもある。
とはいえ、IPの再構築とトークン設計を一体的に行うこの試みは、今後の国内IPビジネスがWeb3をどう取り込むかを占う試金石になりそうだ。
成功すれば、他IPのオンチェーン展開を後押しする動きが広がる可能性もある。
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